番外編 二十歳になってから ページ30
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あれから1ヶ月、借りていたアパートの荷物を不破さんの家に持っていき、再び不破さんとの同居生活、いや同棲生活が始まっていた。付き合い初めて真っ先に報告したのは勿論三枝さん、といっても他に2人の共通の仲の良い知り合いなんていないけれど。
「湊くん、なんでホストやめたの!?ねぇ!?私のことすきじゃなかったの!?あんなに私お金出したじゃん!もしかして締め日に行けなかったのが原因なの!?」
やはり平和な日々は続かないわけで。不破さんと買い物に出かけに行っていて、私がトイレから戻ると不破さんの元エースの美香さんが不破さんに詰め寄っていた。大声だった為周りの客もなんだなんだ修羅場かと通り過ぎる際横目でチラチラと見ている。私はというと、その状況に混乱して影で様子を伺っていた。これ、行った方がいいのだろうか。でも行ったら行ったでもっと修羅場になりそうである。
「あ、Aちゃん」
「え」
私に気づいた不破さんが私に声をかけた。え、この状況で呼ぶの!?
「………アンタ、あの時の女じゃない。なんでここにいんのよ」
「Aちゃんは俺の彼女や。それと、ホストは戻る気ないからもう関わらんといてくれん?」
「なんで!?あの時湊くん私の事好きって言ってたじゃん!なんでその女なのよ!?私、湊くんに何もかもあげたじゃない、お金も時間も気持ちも体も。なのに、その女!!」
「……執拗いんやけど、それ以上付き纏うなら警察呼ぶで」
不破さんは美香さんに対して冷淡であった。後々聞くと、美香さんはホスト時代の時から不破さんに対しての執着が酷く他の姫に危害を加えて、1度警察を介したことがあったそうだ。美香さんは不破さんの言葉を聞いて大粒の涙を流しながら去っていった。その日の買い物は不破さんはいつも通りだったが、私はずっと胸がモヤモヤしっぱなしだった。
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「だーめ」
「な、なんでですか!?」
「美香ちゃんの言葉聞いて焦ってんのはわかるけど、まだAちゃんには早いわ」
「私も18です!それにもう少しで19だし!!愛し合うのに年齢なんて関係ないと思います!」
「んや、まぁ自分の子孫いたらアツいけど流石にAちゃんが二十歳になってからやな」
そう言って不破さんは軽くリップ音を鳴らしながら口付けをしてくる。今はこれで我慢な、とか言ってくる不破さんをポコスカ叩き不満を顔に出す。その顔を見て、んはは可愛ええとかいう不破さんはやっぱり元ホストなんだなと再認識した。
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蒼井(プロフ) - 狛希さん» 狛希さんコメントありがとうございます。読んでいただいて、その上嬉しいコメントを下さって本当に嬉しいです。ありがとうございます!! (2月6日 17時) (レス) id: 5ecf86ccc0 (このIDを非表示/違反報告)
狛希 - 初コメ失礼します。更新されたところまで読ませていただきました!夢主さんとの心の距離がどんどん離れていくような描写がすごく心に残りました。この作品が好きです! (2月6日 16時) (レス) @page23 id: 81e78c7a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/
作成日時:2024年1月15日 18時