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グラス叩いて、君を誘った ページ13

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ポツンと置かれたベッドと数少ない家具。そこに当然不破さんの姿はないし、あるのは職場の資料とあの家とは全く違う匂い。あの焼肉の後、特に何も起きずに迎えた誕生日。盛大に、と言っても不破さんのお店での誕生日イベントとはほど遠いが、不破さんと三枝さんと家でケーキを囲んで誕生日パーティをした。今もその時に2人に貰った誕生日プレゼントが家の中に置いてある。



一般企業に就職したせいで、昼夜逆転生活は終わりを迎えた。そのせいと言うのもあれだが、私の出勤時間に彼は寝ているし、私が仕事が終わる頃は彼が仕事をしているし、ということで不破さんにあまり会うことがなくなった。最初は休日に時々行っていたが、途中から迷惑かもしれないと思い、ここ1ヶ月本当に不破さんに会うことはなかった。2ヶ月目の給料が昨日手元に来た為、私はこれから生活費などを諸々引いたお金を持って不破さんの元に行こうと思った。


調べてみると、ホストは初回プランがある所だと相場は2000〜3000円らしく、もしそれ以上だとしても今まで貯めたお金もあるし、大丈夫だろう。私の頭には不破さんに会いたいということしかなかったけれど、彼にこうしてお金を使うならば、彼のお金にもなるし、相互利益となる。


不破さんの店は初めて会った場所だか覚えている。明日、仕事休みだし行ってみようかな。そう思って、クローゼットを開ける。仕事の服と、いくつかの私服。働き始めて服なんて買ってないし、あるのは不破さんに買ってもらった服だけだった。服なんて、2着あれば大丈夫ですよ、なんて言う私に不破さんは何度か服を買ってきてくれた。玄関で急に渡されるもんだからその時は、嬉しいとか申し訳ないとか、そういう気持ちより驚きが勝っていた。新しく服を買う手もあるが、やはり不破さんが買ってくれた服で行きたい。


それと、不破さんの家ではメイクしてなかったけど、仕事を始めて再開したので色々メイク道具は買ってはいるのだが、不破さんが好きなメイクってどんなのだろう。結局、その日は明日の準備であまり眠れなかったが、ホストの営業は夕方からだし、少し昼間は寝てようかな。

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作品ジャンル:恋愛
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蒼井(プロフ) - 狛希さん» 狛希さんコメントありがとうございます。読んでいただいて、その上嬉しいコメントを下さって本当に嬉しいです。ありがとうございます!! (2月6日 17時) (レス) id: 5ecf86ccc0 (このIDを非表示/違反報告)
狛希 - 初コメ失礼します。更新されたところまで読ませていただきました!夢主さんとの心の距離がどんどん離れていくような描写がすごく心に残りました。この作品が好きです! (2月6日 16時) (レス) @page23 id: 81e78c7a48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/  
作成日時:2024年1月15日 18時

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