君が願ったことだから。（knmc） ページ3
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段々と彼と離れていくのを感じていた。それは、距離とかそういうのもだが、私が1番思うのは彼との年齢である。出会った頃彼はひとつ上の先輩で、次の年は何故か同級生で。彼と付き合ったのもその頃である。大学生になってから、彼との生活習慣が変わって、私が高校生の頃より彼とは距離ができた。まぁ、でもLINEとかはよく話しているし、電話やデートだってする。昔に比べて減っただけで。
彼と出会ってもう4年。明日は私の誕生日で、私が二十歳になる日。きっと、明日も彼はプレゼントを用意してくれているだろうし、いつもと変わらない笑顔で祝ってくれるのだろう。けれど、私はもう限界だった。彼は、出会ってからずっと16歳のまま。もしかしたら、ずっとそうなのかもしれない。私は彼と違って普通に歳をとっていくし、これからもきっと大学を卒業して社会人になって、それで…………。
小さい頃の女の子の夢って大体好きな人のお嫁さんになりたい、とかだった気がする。私は違ったけど。でも、まぁ好きな人と結婚したいとは思う訳で。でも、彼は16歳。絶対に無理だ。というか、私1歩間違えれば犯罪になっちゃうし。どうせ私が年老いたら捨てられるんだよ、なんてありもしない弱音を吐いて零れた涙は重力に従って耳の上を通り枕に染み込んだ。私も、彼と同じようになれたなら。
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次の日、やはり彼は私の元に来た。誕生日おめでとうございます、なんて言ってプレゼントを渡してくれた。私はそのプレゼントに目を落とした。多分これは私が前に彼と街を歩いていた時に気になっていたものである。なんでわかったの、なんてこれだけずっと居たらわかるようになるものかもしれない。だって私もそうだもの。
「ありがとう、刀也。」
彼がずっと私のことを好きなのも知っているし、私は彼のことが好きなのもちゃんと事実である。でも、世間はどうだろうか。私はこれから彼のことを友達や、数年後であるが職場の同僚に彼のことを紹介できるのだろうか。私は別にメンタルが強いとか、そういうのじゃないし、普通に色々言われれば傷つく。
この前友達とショッピングモールに行った時に、ふと目に付いた年の差カップル。友達はあまりその人たちの事をよく思ってなかった。なんだろう、たしかパパ活みたい、だっけ。
「…………大事な話があるの。」
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作者名：蒼井 | 作成日時：2024年1月12日 9時
