【2】この広い空の下で私は考えた【knmc】 (ページ50)

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96話【10年前のこと】ページ50

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暫くしてがっくんが来た。なんと今日は刀也くんが剣持カレー(がっくん名称)を作ってくれるらしく、私は楽しみだと、他がつかえるといけないので先にお風呂に入らせて貰った。カレーが完成した頃、がっくんも到着し、3人で夕食を取った。

「なんすか？お付き合いの報告っすか？」
「告白はしましたけど、違います」
「ぇ、ええええええええ！？刀也さん告白したんすか！？！？」
「はい」
「え、でもなんで付き合ってな……あぁ…そういうことっすか」
「だから教えて欲しいんです。10年前にAと葛葉の間になにがあったのかを」
「………言ったんすか、刀也さんに」

そう言ってがっくんは私の方を見る。今日私はがっくんにLINEを入れたが、それは刀也くんも泊まるということのみ。この話をする為とは言っていない。

「僕が無理にお願いしたんです。だから彼女は悪くない」
「お願い、聞かせて。10年前、何が起きたのか」

がっくんは私と刀也くんの真剣な表情に最初は目を逸らしていたが、やがては観念したように1つ呼吸を置いて、10年前のことを話し始めた。

「あまり本当は話したくなかったんすけど……2人とも逃がしてくれそうに無いので話しますね」
「ええ、逃がしませんよ」
「逃げたら縄で縛る」
「Aちゃん！？」