【2】この広い空の下で私は考えた【knmc】 (ページ47)

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93話【なんで】ページ47

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叶さんの言うには、叶さんとがっくんに葛葉のことは任せて欲しいから、私はそれが終わるまで何もしないでほしいと言うものであった。私はそれを聞いて私は勢いよく立ち上がった。

「なんで、元はと言えば私のせいじゃないですか！なのに私は何もせず待つなんて…。これは私と葛葉の問題で、」
「Aちゃんは、10年前のあの時のこと覚えてないでしょ」
「10年前のあの時のこと…？」
「そう、これはAちゃんのせいじゃないよ。僕の責任だから。だから僕達に任せて」

そう言って叶さんは私を席に座らせる。途中で気づいて音量を下げたが、私はこのカフェに合わない声を出していた。少し先ほどの女性達も修羅場か、修羅場なのかとこちらをチラチラ見ている。私は周りの人に軽く謝って叶さんに向き合う。

「私には言ってくれないんですか、あの時のこと」
「Aは知ってるはずだよ、ただ覚えてないだけで。ガクくんのこと、昔好きだったことを思い出した時と同じように自分で思い出してみな。僕から言うことは出来ないから」

私達はその後そのカフェを出た。

「10年前…」

10年前、何があったのか。それを知らないと私は進めない。真実にたどり着くことができない。けれどどうすれば思い出すことができるのだろうか。叶さんと別れた後お気に入りの場所から空を見ながら私はポケットの中で振動したスマホを開く。メッセージが来ていてその送り相手は刀也くんだった。

剣持明日約束の勉強会できそうですか?