【2】この広い空の下で私は考えた【knmc】 (ページ5)

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51話【食べ物の恨みは怖い】ページ5

「で、Aはなんで葛葉が食べたと思ったの？」
「叶さん食べてないって言って言ってたし、だったら葛葉以外に考えられないじゃん…」
「葛葉は食べたの？食べてないの？正直に答えて」
「マジで、食ってない。てか、知らなかった」

私達は叶さんの前に正座させられて叶さんの質問に答える。こんな状況だからか、熱くなっていた頭が冷えて、冷静な考えが出来るようになっていた。葛葉はずっと食べてないと言っていた。ここまで来て嘘をつく必要はないだろう。多分、葛葉は本当のことを言っている。

「でも僕も食べてないからなぁ、でも葛葉も食べて無さそうだし…うーん、ここ最近この家に来たのは葛葉だけだし…いや…ちょっと待って」

そう言って叶さんはスマホを操作する。

「兄貴だ…」
「「え？」」
「兄貴が食ったって」

そういって叶さんはスマホの画面を見せる。そこには叶さんのお兄さんとの会話が映っていた。叶さんの「もしかして冷蔵庫入ってたプリン食べた？」という問いに「食ったけどまずかった？」という返事が返ってきていた。

「そういえば兄貴この前帰ってきてたの忘れてた。えへ」

そういって叶さんは舌を出す。

「えへじゃねぇよ！！叶ぇぇ！！！」

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「あの、えっと…ごめん、葛葉…疑って…」
「いや、俺も…実は…お前の家にあったロールケーキ、」
「は？食べたの？」
「……」

結局叶さんのお兄さんの方は、今度同じものを買ってきてくれるということで、葛葉の方は今すぐスイーツを買ってくるということで納得した。食べ物の恨みは怖いぞ、特にスイーツは。