【2】この広い空の下で私は考えた【knmc】 (ページ4)

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50話【喧嘩】ページ4

「だぁかぁぁらぁぁぁあ！俺は知らねぇって！！」

叶家、リビングにて。静かな空間に葛葉の叫びがこだまする。

「あれは私のじゃん！！ずっと楽しみにしてたのに！！」

久しぶりに葛葉と喧嘩した。理由は今考えればしょうもないと思う。私が叶くんちに忘れていった期間限定のプリンが無くなっていたのだ。叶さん家だから叶さんが食べたのかと思ったが、叶さんは食べてないという。なら、叶さん家によく出入りしており、甘党であり、よく叶さんの家のものを食べている葛葉だと私は考えたのだ。

「俺じゃねぇよ！！！俺はそんなのあったなんて知らねぇよ！」

だが葛葉はずっと否定する。素直に認めるんだったら許そうとはしたが、ずっと否定してくる。

「まぁまぁ2人とも落ち着きなって」

叶さんが間に入ってどうどとうと私達をあやす。

「ていうか、お前が忘れなかったら良かった話だろ！俺に罪をなしつけるなよ！」
「忘れることなんて人間なんだからあるじゃん！葛葉だってこの前…」

収まるどころか、ヒートアップしていく喧嘩に叶さんがガシッと私達の肩を掴む。

「喧嘩するなら帰って？？」

私と葛葉はその叶さんのニコニコした表情を見て固まる。

「「すみません…」」