【2】この広い空の下で私は考えた【knmc】 (ページ33)

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79話【相談】ページ33

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「もう気づいちゃった？」
「気づいちゃった」

夏休み3日目、ここは私の家。私の目の前にいるのはがっくん。今は恋愛相談？的なことをしている。

「Aちゃんが、とやさんの気持ちに気づいたのはいつなんすか？」
「最初に思ったのは、テスト返却の後、確信を持ったのは、一学期最終日の、花火に誘われた、とき、かな」

自惚れかもしれないが、最近私事は刀也くんがもしかして私の事好きなんじゃないかと思うようになっていた。なんというか、他の女子と接し方が違うし、最近は距離が近くなってきた気がする。

「がっくんは知ってるの？刀也くんの気持ち」
「知ってても個人情報だから教えれないっすね。とやさんに聞いたらどうっすか？」
「むり…………」

私は机に顔を伏せる。もし違ったら痛い人だし、恥ずかしいし、もう学校行けないかも…。

「まぁ、Aさんわかりやすいんで、向こうも同じ気持ちならとやさんの方から言ってくるんじゃないすかね」
「…………恥を晒すより待った方がいっか。それに付き合うとかわかんないし、想像出来ないし、まだ仲のいい友達でいいかなって」
「まぁ必ずしも付き合えばいい、とかじゃないもんね」

んー、と私は伸びをしながら言葉を返す。

「がっくんも早く彼女作ればいいのに」
「……そうっすね。俺はまずは好きな人から作らないと…」

私は立ち上がって窓を開ける。窓の外には綺麗な空が広がっている。

「Aちゃん空見るの好きっすよね」
「空は飽きないからね。ほら、あの雲とか狐さんに見える。あの雲はなんだろ、ナスみたい！あと、風で少しずつ動いていく雲も見るのも好きなんだ」
「1番好きな天気ってある？」
「んー……」

私は少し悩んだ後答えを出す。

「天気雨かな」
「どうして？」
「がっくんが嬉しそうだから！あとね、天気雨って関西の方では狐の嫁入りっていう人が多いんだよ。がっくん狐さんみたいだから、私は天気雨が好き！」

私がそう答えるとがっくんは私の所に来て私の頭に手を乗せて撫でてきた。

「がっくん、どうしたの？」
「なんとなく、なんとなく嬉しかったんすよ」
「そっか」

空は少し雲がある綺麗な青空だった。