58話【僕の気持ち】 ページ12
剣持side
「とやさん、嫉妬すか?」
「え?」
空賀が席を立った後、がっくんがそう切り出す。
「安心してくださいよ、俺はとやさんのこと、応援してますから」
そういってがっくんは笑う。
「がっくんは、どう思っているんですか?空賀のこと」
そう問うとがっくんは開いた口を1度閉じてまた開ける。
「妹、みたいなもんすよ」
「妹…」
僕はその言葉に、表情に少し違和感を覚えた。
「Aちゃんにも、とやさんにも俺は幸せになって欲しいんすよ」
これは本当すよ、そういってがっくんは僕の口元にフォークで刺したケーキを持ってくる。僕はそのまま食べると、口の中にいちごの甘酸っぱい味が広がる。だが、タイミングが悪かった。
「あ…、ごめん…気づかなかった。2人ってそういう……」
トイレから戻ってきたであろう空賀が僕達を視界に入れる。空賀から見た僕達は多分こう映っている。あーんをして、笑顔ながっくんと甘みに顔を綻ばす僕の姿。
「ちょっと待ってAちゃん、違うんすよ!!!」
「空賀これは、違うって」
空賀は口元に手を持っていく。
「あ…いや、……応援、してるよ……」
地獄の始まりだった。誤解を解くのに暫く時間を要した。
「今日は誘ってくれてありがとう!」
「俺も楽しかったぜ!とやさん、Aちゃんありがとな!」
「うん。僕も楽しかったです。また3人でどこか行こう」
僕の家の前で僕はそのまま家に帰った。がっくんが空賀を家に送って行くらしい。でも、本当に驚きだったな。まさかがっくんと空賀が知り合いだったとは。しかもかなり仲が良かった。
実は本当は2人が僕の家の前で仲良く話しているのを2階の僕の部屋から見ていた。話している内容はわからなかったが、2人が仲良さげなのは見て取れた。2人が親戚だということを知って僕は少し納得した。けど、
「僕は…………」
玄関の扉を開けた時、空賀の頭にがっくんの手が乗っていた時、2人が仲良く話しているのを見ていた時、あーんをする2人を見た時。
⠀
とっくに自分の気持ちには気づいてた。
僕は_______________________。
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作者名:蒼井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5291025/
作成日時:2023年9月1日 19時