ブルーベリーナイツ【完】 (ページ10)

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元太にしっかり確認はしないまま、
時間だけが過ぎていった

あれから私たちの連絡が頻繁に行われることはなかった

電話をしてもどこかお互いよそよそしくて

朝まで繋げっぱなしだった当たり前の寝落ち電話も
なくなっていった

そんな期間は3ヶ月も続いた

それでも私は吹っ切ることはできずに
松倉くんから聞いた撮影スタジオの近くのカフェに行くことにした

少しでも、直接ちゃんと話したくて。

カフェでチーズケーキとカフェラテを注文し

窓際の席でぼんやりとしていると
コンコン、とガラスを叩く音がした

顔を上げると、マスクをつけて背が高くてスラッとした海人くんがいた

ニコニコしながらマスクを外して口パクで声をかけてくれた

( ひ・と・り・？ )

私が頷くとカフェのドアを開けて中に入ってきてくれた

｢海人くん…！！｣

｢なにしてんのこんなとこで」

｢げ、元太に会いに…？｣

｢疑問形じゃん笑笑｣

海人くんは元太と付き合ったとき、一番最初に
紹介されて仲良くしてくれた人

中村海人って聞いたことあるなぁ～と思っていたら
私が見ていたドラマに出ていた人だった

最初はもちろん驚いたし、住む世界が違うって
尚更思ったけど、海人くんは硬くなくて
すぐに仲良くなってくれた。

｢なんか暗くね？なんかあった？｣

アイスコーヒーを注文して私の隣の席に腰を下ろした

｢…なんか。元太と最近あんま上手くいってなくて。
連絡しても、返信遅いし冷たい。
ちょっと前、松倉くんに元太といるとこみたよって連絡が来たんだけど、私その日元太と会ってなくて。
なんか、つらい
…ってかこんなの俺に話されてもって感じだよね笑
ごめんごめん笑笑笑｣

｢…なんで笑うの
俺の前ではそんな強がんないでよ。
いーよ、全部吐きなよ｣

アイスコーヒーを口に運びながら海人くんが言った

｢……元太が、わかんない。
どうしたらいいか、もうわかんない、
もう…彼女でいる自信ない、よ、
元太にはきっと、もう私じゃない｣

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