ブルーベリーナイツ【完】 (ページ3)

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課題の提出が迫ってきていて、
論文を書き進めようと1人でカフェでも行こうと思い

大学の最寄り駅から5つ目の駅にあるカフェをめざした

土曜日のお昼ということで、
混む時間帯のせいもあり少し混雑していて

座ることが出来ずに乗降口とは反対の扉の前に立ち
イヤホンをして携帯を開いて、外を眺めていた。

地方から上京してきた私は
電車から見る東京の景色はどこかよそよそしくて、

でも、すごく好きだった

こんなことを考えているとひとつめの停車駅で
わりと多くの人が乗り込んできた。

インスタを開いてカフェを調べていたところ
私のおしりを触る、心地悪い感触を感じた。

………最悪。
これが痴漢ってやつ……？

私の地元は電車民で座れないことなんて滅多にない
だから痴漢なんて考えたこともなかった

両親には
東京の電車なんてスリとか痴漢とか気をつけなさいよ、なんて言われていて
そんな～大丈夫だよ～心配しないで、なんて言っていたのに。

痴漢されてもやめてください、ってすぐ言えるよな～と思っていたのに。

いざとなると声が出なかった

恐る恐る携帯の画面を暗くし、
液晶にうつる私の後ろを見ると
50代前半くらいのおじさんだった

……どうしよう、次の駅で…降りたい。

泣きそうになるのを堪えながら少し顔を上げると
少し離れた隣の扉に寄り掛かるサングラスをした
同い年くらいの男の人と目が合った

…お願い、助けて…助けて、ください……

伝わるはずもないか、と諦めかけて
視線を外の景色へと戻した。

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