元太side ページ31
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スタジオに向かおうとロケバスへと乗り込み、
渡された企画書を開いた
柔軟剤の広告かぁ〜、なんてペラヘラめくっていた
「え、この企画書!〇〇デザインって!Aちゃんの!!」
「おまっ!ばか!!しっ!」
……は?いまなんつった??
なんでいまAの名前が出たんだ…?
「…え、は、今海人なんて…?」
「え、あ、いや、…えっと、、なにが、?」
「……ごめん元太。全部、話すよ。」
ちゃかが重い雰囲気の中、口を開いた
話を聞いていると、
ちゃかと松倉は少し前に飲み屋さんでたまたまAに遭遇したとか。
そしてこの前のファッションブランドの撮影の企画書はAので、あのスタジオにいたこととか。
まってよ…何言ってんの?
俺はいきなり連絡を断ち切られてずっと会えなくて、
それでもずっと想ってた。
「それ…ほんとに、いってんの?」
「……隠しててまじごめん。
Aちゃんに申し訳なくて、あの日、飲み屋であった日は俺もびっくりした。
Aちゃん、あかりちゃんと一緒で。
…元太が忘れられない、苦しいって泣いてたんだ。
でもその後スタジオであった時、Aちゃんは、私から連絡するなんて都合が良すぎてそんなの出来ないって。…あの表情は決意が固かった。
…元太を、心から応援してた。」
「…っ…なんだよそれ……」
ちゃかの言葉を全部を飲み込むのに時間がかかった
「……みんな、俺さ。」
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今スタジオにいけば会えるかもしれない、
でももし会ったらAは喜んでくれる?
それとも、辛い顔をさせる?
そんなことを考えながらでもロケバスがスタジオ前に止まった瞬間、俺は走り出していた。
……俺、別れて何年か経った今でも
お前のこと、大好きなままだよ。
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作者名:みぇ〜ん | 作成日時:2020年11月3日 12時