彼氏に片想い....REN.n (ページ1)

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『先輩……好きです……付き合ってください』

体育館裏の影になってる場所でも
暑くて汗が出る7月後半

少し汗ばむこめ髪に伝う汗は
もちろん暑さのせいだけではない

目の前にはダルそうにポッケトに手を入れて

驚いた顔をした後冷たい瞳でAを見下ろす

この人はAが想いを告げた想い人

そんな冷たい瞳に捕らわれているだけで
また身体がジワジワ熱くなる

ドキドキする胸を手で押さえ

黙って見つめる

廉「お前さぁー……」

『はいっ！』

「これ何回目？」

こめ髪をポリポリして気まずそうに聞いてくる廉
そんな顔もかっこよくて好きが溢れる

『あっ、……えーっと……4……いや、5回目です』

「いや、6回目やから……」

『……ですね、……すみません……諦め悪くて』

サッと目を逸らし俯くA

そう、何を隠そう
私が永瀬先輩に告白するのは今日で6回目

「……ええで？」

『はいっ、すみませんでした……』

また、ダメだった……
後ろ振り向こうとした瞬間

ん？

ええで？

『えっ？』

慌てて勢いよく見上げると
フッと鼻で笑う廉の顔

長い前髪の間から綺麗な瞳と目が合う

「付き合う？」

『……いいんですか？』

「ん～お前しつこいし」

『ヴうぅ～』

「ん？」

『う"ぅー嬉しい』

「は？何泣いてんの？きしょいきしょい」

『ずみませーん』

きしょいって言われてるけどそんな事
どうでもいいぐらい今すごい嬉しい

だって……

『先輩、好きです、付き合ってください』

「ごめん」

このやり取りを5回

それ以外の会話はした事ない……

なのに……

まさか……付き合ってもらえるなんて……

『永瀬先輩が……彼氏……』

「やなぁ……ってか名前そう言えば知らんねんけど……」

『竹内Aです……』

「ふぅ～ん……よろしく、LINE交換しとこうか」

ポケットから携帯を出し近ずいてきた廉から
ふわぁっと香る甘い香水の匂い