良い大人は知らない ページ36
一度見つかった時は無表情だったのに、今はこちらを強く睨み付けている。
「A、まだ起きる時間じゃないだろ？」
「…」
「返事は？」
「…ごめんなさ、い」
そして不気味な程、にっこり笑う叔父。
頬皺が何かの化け物に見えた。
「それはな…返事って言わねーんだよ！」
押し入れで横になっていたAを無理矢理引き摺り下ろし、蹴りを入れる叔父。
咄嗟に反応出来なかった自分が悔しい。
「かはっ、」
「A…！」
「…大丈夫、大丈夫だよ」
叔父を押し出し、Aを連れて玄関へと走る。
この廊下、こんなに長かったか？
室内は、こんなに暗かったか？
そして玄関扉を発見した瞬間、膝から崩れ落ちた。
いくつもの南京錠が重なって嵌められていた。
「さっき厳重に閉めておいたよ」
後ろからねっとりとした声が聞こえる。
ひたひたとした足音に耳を完全封鎖したくなる。
「あっ、あっ…、」
「お前が悪いことした時の『いつものように』な」
何処から持って来たのかいつの間にかバットを所持している叔父。
Aを下ろし、頭を守るように抱き締める。
「無様にはみ出ているそのネックレスを見て一発で分かったよ」
「…」
「Aも同じ物をずっと大事にしていたからな」
「ひっ、」
さっきまでは蹴られたAの姿を見て怒りで震えていたのに、今じゃ恐ろしくて歯をガチガチと言わせている。
恐怖が激しく胸の底で蠕動しているのが分かった。
「お前が、兄のキヨなんだろ？」
「…うっ、ぐ、」
言う暇もない程、バットらしき物で何回も殴られる。
あばら骨が何本か折れたような気がする。
歯も飛んで行った。
片目が見えない。
そして、携帯も壊されて粉々。
あれだけ奪われないようにしろって言われてたのに、見事フラグ回収しちまった。
回収なんて、フリゲだけで充分なのに。
Aを抱き締める力が強くなる。
「じゃあな、兄妹揃って仲良く彼の世でな」
濁った血の付いたバッドを振り翳す叔父。
もう、駄目だ。
今までの力で来ると、確実に頭が粉砕する。
頭って、綺麗に飛び散るんかな。
それとも野菜みたいにぐちゃっと、潰れるのかな。
…あぁ、終わる。
ゴンッと、鈍い音が脳天に響いた。
***
さっき人狼前半見たけどやっぱ面白いな(最悪なタイミングであまちゃん抜けてしまった…)
この長編も最終回が近付いてますね
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トマトまと(プロフ) - 続き→他の方が言っていたように、1度しか評価できないのがとても悔しいです…私も幽霊系大好きです!【覗いてはいけない】めちゃくちゃ好きな作風でした!押し入れで寝るの憧れますよね分かります。最後に、素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年4月10日 21時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 初めまして!とても素晴らしい作品でした!!最初は、生霊なのかな?と思いながら読んでいたのですが、血を流して眠っている。石の様だ。というような表現をされていたので、一瞬吃驚してしまいました。主ちゃんが生きてて本当に良かったです… (2022年4月10日 21時) (レス) @page41 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 未愛さん» ｳｫｵｵありがとうございます！世紀末のエンジェル面白いですよね、本棚に入れてたまに読んでますー！そして占ツクは同世代が居ないのでめちゃくちゃ嬉しいです…！ (2016年6月11日 16時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
未愛(プロフ) - 今さらながら107さんの小説を知りました。短編全部読み、この小説にたどり着きました。読んでる途中に世紀末のエンジェルを思い出して後書きを読んだらビックリです。107さんと同世代みたいです。小説が素晴らしかったのと世紀末が懐かしくてコメントさせて頂きました。 (2016年6月8日 18時) (レス) id: 9d599423c5 (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - あきみゃんさん» ぎゃー！早速ありがとうございます！このコメ返したら即直しますね！ (2015年12月17日 1時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：107 | 作成日時：2015年7月23日 0時
