カラ、カラ、カラ ページ28
「Aちゃん？」
確かにそう言ったよな。
深刻そうな顔で、言ったよな。
「…」
「Aっていう奴は、誰なんだ？」
「…思い出してないのなら、この話は聞かなかったことにして」
「は？」
そこまで言っておいて言わないのかよ。
後を追いかけたけど、無言を貫かれた。
これ以上聞いても答えてくれない気がしたので、諦めよう。
とぼとぼ二階へと上がる。
…あれ、Aが見当たらない。
どこだろう。
クローゼットの中、居ない。
テーブルの下、居ない。
ベッドの下、居ない。
「キヨっち！」
「？」
声のする方向を見てみると、Aが雀達と遊んでいた。
半分呆れ半分笑いながら、窓を開ける。
「お前何してんだよ」
「追いかけっこしてた！」
「そいつらお前のこと見えんのかよ」
「うん、見えてるみたい！」
言葉は分からないけど、雀共は嬉しそうに飛んでいる気がする。
「そうだ、ネックレスの錆は取れそう？」
「ああ、時計屋のオヤジに頼んだら明日取りに来いってさ」
「オヤジ時計って、誰？」
「入れ替えんな」
吹き出しそうになったけど堪える。
こいつたまに突然面白くなるんだよな。
俺の笑った顔を見て何故か寂しそうな顔をするA。
「キヨっちのお母さん、私のこと知っているんだね」
「…聞いてたのか」
「思ったんだけどさ、」
雀達に手を振り、部屋に戻って来るA。
「もしかしたらさ！私、キヨっちが事故る寸前に助けたスーパーマンかもしれないね！」
「スーパマンって、おま」
「それか、もしかしたら学校の先輩後輩だったりしてね！」
「…こんな後輩居たら忘れねーよ」
出会っていたら絶対に忘れない。
なんて、母親のさっきの言葉を聞いたら自信を持って言えない。
助けてくれ。
「キヨっち先輩は、先生に目を付けられてそうだね」
「うるせーよ」
こいつを、Aを助けてくれ。
「職員室で正座してそう」
「その時は、きっとお前も一緒だな」
「えー何でさ！」
早く真実が知りたい。
***
キヨレトイベント行くか迷い中
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トマトまと(プロフ) - 続き→他の方が言っていたように、1度しか評価できないのがとても悔しいです…私も幽霊系大好きです!【覗いてはいけない】めちゃくちゃ好きな作風でした!押し入れで寝るの憧れますよね分かります。最後に、素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年4月10日 21時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 初めまして!とても素晴らしい作品でした!!最初は、生霊なのかな?と思いながら読んでいたのですが、血を流して眠っている。石の様だ。というような表現をされていたので、一瞬吃驚してしまいました。主ちゃんが生きてて本当に良かったです… (2022年4月10日 21時) (レス) @page41 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 未愛さん» ｳｫｵｵありがとうございます！世紀末のエンジェル面白いですよね、本棚に入れてたまに読んでますー！そして占ツクは同世代が居ないのでめちゃくちゃ嬉しいです…！ (2016年6月11日 16時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
未愛(プロフ) - 今さらながら107さんの小説を知りました。短編全部読み、この小説にたどり着きました。読んでる途中に世紀末のエンジェルを思い出して後書きを読んだらビックリです。107さんと同世代みたいです。小説が素晴らしかったのと世紀末が懐かしくてコメントさせて頂きました。 (2016年6月8日 18時) (レス) id: 9d599423c5 (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - あきみゃんさん» ぎゃー！早速ありがとうございます！このコメ返したら即直しますね！ (2015年12月17日 1時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：107 | 作成日時：2015年7月23日 0時
