決意表明は突然に ページ3
クローゼットの前に立ち、しばらく考える。
「何やってるの？」
「明日の公式放送に何着て行くか選ぶんだよ」
「公式？放送？」
「簡単に言えば、イベントに出演するんだわ」
ニコニコの説明は、面倒臭いので端折る。
ガサゴソとクローゼットの奥を漁る。
あ、なくしてたと思ってたカットソーここにあったのか。
候補BOXへと入れる。
「キヨっちは、有名人なの？」
「有名人…ではないけど、その辺の奴らよりは有名じゃねーんかな」
「今凄く混乱してる」
「まぁ…無理に理解しようとするな」
「うん？分かった？」
これは無し、これもこの間着たから無しっと。
答えながらも順調に分けていく。
「…ねぇ、本当に私はキヨっちにしか見えないのかな」
「急にどうした」
「そのイベント、付いていってもいい？」
「え、」
「キヨっち以外で私のこと見れる人が居るかどうか確かめたい！お願い！」
勢いよく頭を下げられる。
俺以外で見れる奴が居たら、それはそれで大騒動になるような気がするんだけど。
断る理由は沢山あるのにこんな風に真剣にお願いされると、断れない。
「しょうがねーな、うるさくするんじゃねーぞ」
「ありがとう、！キヨお兄ちゃん！」
「こんな妹ごめんだわ」
「何で！妹萌えしないの！？」
「ねーよ、有り得ないわ」
妹居ないから、分からんけどな。
けど、仮に居たとしても絶対に萌えはしないわ。
近○相○に至っては、理解しろと言う方が難しいわ。
「キヨっちのお友達も来たりするの？」
「来るっつーか、一緒に出る」
「え、凄いじゃん！友達も有名人とか！」
あいつらに相談…ってまではいかないけど、Aのことについて少し話してみるか。
何で俺にだけしか見えないのか気になるし。
ニヤりとしたあの男達の顔を想像しながら再び服選びに戻った。
自分の気に入った猫のデザインTシャツを手に取る。
「それ着るの？」
「え、うん」
「それより、こっちのシンプルなデザインの方がいいよ」
「何だよ、これダメか？」
「…デザインした人に悪いけど、そんなブサイクな猫やめときなよ」
「んだとてめえ」
「何で怒ってるのー！」と、涙目になっているAに向かってブンっと手を振る。
勿論空振り。
…空振りするのを分かっていたから振ったんだけども、何か恥ずかしくなってきた。
猫Tを元の位置に戻し、Aが指定した服の袖を腕に通した。
***
あのお方がこんな念入りに決めてるとは思えないけどね
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トマトまと(プロフ) - 続き→他の方が言っていたように、1度しか評価できないのがとても悔しいです…私も幽霊系大好きです!【覗いてはいけない】めちゃくちゃ好きな作風でした!押し入れで寝るの憧れますよね分かります。最後に、素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年4月10日 21時) (
レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 初めまして!とても素晴らしい作品でした!!最初は、生霊なのかな?と思いながら読んでいたのですが、血を流して眠っている。石の様だ。というような表現をされていたので、一瞬吃驚してしまいました。主ちゃんが生きてて本当に良かったです… (2022年4月10日 21時) (レス) @page41 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 未愛さん» ｳｫｵｵありがとうございます！世紀末のエンジェル面白いですよね、本棚に入れてたまに読んでますー！そして占ツクは同世代が居ないのでめちゃくちゃ嬉しいです…！ (2016年6月11日 16時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
未愛(プロフ) - 今さらながら107さんの小説を知りました。短編全部読み、この小説にたどり着きました。読んでる途中に世紀末のエンジェルを思い出して後書きを読んだらビックリです。107さんと同世代みたいです。小説が素晴らしかったのと世紀末が懐かしくてコメントさせて頂きました。 (2016年6月8日 18時) (レス) id: 9d599423c5 (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - あきみゃんさん» ぎゃー！早速ありがとうございます！このコメ返したら即直しますね！ (2015年12月17日 1時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：107 | 作成日時：2015年7月23日 0時
