【Tw】酸素吸って暴言吐く

錆びかけ心回避 ページ19

この前の誤爆メールにまさかのOK返事が来た。
そして、今日は家に迎え入れる日だ。


「お邪魔しまーす」
「どうぞ、狭くて散らかってますけど」
「えー？全然そんなことないじゃん」

そりゃめちゃくちゃ掃除頑張ったからね。
髪の毛一つ残さなかったからね。
必死に雑巾かけたからね。


「じゃ、そこのソファーにかけてください」
「ここ？」
「はい」

私は向かい側に座り、テーブルの上にかけてあった布を取る。
そしてドン引きする程の沢山の料理をお披露目する。


「つわはすさん、誕生日おめでとうございます」
「…」

う、やっぱり引いたかな。
彼女でもないのに何祝っちゃってんの〜？ウケる〜って思われたかな。

手料理、食べれるか聞いておけばよかった。
たまに人が作ったおにぎりとか食べれないっていう人いるもんね。


反応を待っているのが辛い。
いつもの沈黙より重たい気がする。

もう嫌だったら帰ってほしい。
そしていっそ私の存在ごと頭の中から消し去ってほしい。


「…いよ」
「へ？」

ネガティブ思考に囚われ過ぎて返事が聞こえなかった。

「キモいよ」って言ったのかな。
え、そしたら本当に死にたくなるんだけど。


「すごく、嬉しいよ」
「…！本当ですか、迷惑じゃないですか？」
「ごめん、あまりにも感動して反応遅れちゃった」

優しく笑った彼の表情を見て涙腺が緩む。
緩む、というか気付いた頃にはもう涙が出ていた。


「A、ちゃん？」
「…ごめんなさい、この前の話を聞いて、」
「うん」
「私、どうしても祝いたくて、」
「うん」
「お祝いメール最初に送りたかったなぁ、とほんと自分勝手な落ち込みをしちゃって、」
「うんうん」

私が酷い泣きじゃくりをしても、頷いて聞いてくれる彼。

最初もそうだけど、この人の前だと涙腺が、涙が、止まらなくなる。
そんなに泣く方じゃないのに。

むしろ人前で涙を見せるのは、苦手だったのに。

恥ずかしさから目の前にあったお酒をグビグビ飲む。


「ちょ、Aちゃん一気飲みはヤバイって！」
「だ、大丈夫です」

そうでもしないとやってらんないわ。
こんな恥ずかしい出来事連続で続いてさ。

自分のせいだけど。

それから１時間、ひたすら飲み続けた。


「ちょっとトイレ借りてもいい？」
「あ、廊下出て右です」
「ん、ありがとう」


彼が居なくなって安心したのか、お酒が余計に回ってきた。

私は、ふわふわした気分で目を閉じた。






***

私の誕生日は秋なので誰か祝ってください

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