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--- You side
夜のドライブは元々好きやけど、今日はより一層ときめきを感じる。
「夜ってさ」
末「うん」
「恋のためにあるんかな」
末「…え？(笑)」
「、、、やっぱなんもない(笑)」
末「夜って恋のためにあるんかな？(笑)」
「復唱せんといて(笑)」
末「あっはは、まじで意味不明やねんけど(笑) …でも、ちょっとだけ分かるわ〜と思ってしもたわ」
「え、わかる！？」
末「今そう思ってたんやんな？(笑)」
「うん」
末「なら俺も同じやで」
「うわ、ほな絶対そうやん、夜って恋のためにあるやん。」
末「そうかもな(笑)」
「誠也がそう言うなら間違いない！」
末「アホやなー(笑)」
「うるさ(笑)」
家に着いて車をとめると、降りる前に私の手からすっと香水の箱を取った誠也。
中の香水を取り出して自分の手首に吹きかけると、いつかのわたしがそうしたように、私の耳の後ろあたりにすり込むようにして付けてくる。
そして、その手でそのままゆっくりと引き寄せられて、さっきよりもずっと長く口づけられた。
末「おまじない」
優しい声で、少し儚い笑顔でそんなことを言う誠也。
ずるい。
こんなことされたら絶対思い出すやん。
誠也の顔や声だけじゃなくて、ふわふわの唇とか、そこから伝わってくる温度とか。ぜんぶ、香りと一緒に思い出してしまうやんか。
末「ま、これは自分のためでもあるんやけどな」
そっか。私だけじゃなくて、誠也も同じなんや。
「誠也も、わたしの事いっぱい思い出してな」
そう言うと、眉毛を下げて困ったような顔でこちらを見る誠也。
末「なんやかっこつけたけど、俺の方が無理かもしれんわ」
そんな言葉を残して車から降りた誠也。
慌ててわたしも降りて、誠也を追いかけるようにして家に帰った。
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作者名：きうい | 作成日時：2023年1月31日 0時
