エスプレッソ、甘めで。(S.S) Ⅳ (ページ20)

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俺の女はおまえだけページ20

--- Seiya side

今日は地元の男友達の結婚式に行った。

Aとは関わりのない友達やから1人で行ったんやけど、友達が幸せそうにしてるのを見たり、他の共通の友達の恋バナを聞いたりした結果、彼女に無性に会いたくなった。

一応仲の良い友達やから披露宴にも二次会にも顔は出したものの、結局最後のほうは外でぼーっと煙草を吸ったりしてた。

誰の話を聞いても、楽しそうやなぁとは思うけど恋しくなるのはあいつだけで。

お嫁さんのドレス姿を見ても、同じようにAのドレス姿を想像してしまってた。

そんな感じで、頭の中が彼女で埋め尽くされたまま、帰り道。

今から帰るけどちょっとだけ会えたりせん？ってAにLINEを送ってみたものの、既読もつかん。

もうすぐ日付けが変わるくらいの時間。

明日も休みやし、いつもならまだ起きてる時間やねんけどなぁ。

まぁあいつ最近仕事忙しそうやったし、俺もすぐ返信できてなかったし、寝てるかもなぁ。

…一応、一応な？電話かけてみるわ。

寝てるんやとしたら多分起きひんけど。

〜♫、……

あかん、寝てるなこれは。でも今日の俺は、もう会わんと気が済まん。

というわけで、いつかあいつから渡された合鍵を、初めて使ってみることにした。

Aの家について、キーケースから普段と違う方の鍵を選んで、鍵穴に刺して回す。

それだけでちょっと高揚したけど、ガチャっと開く音をきいてちょっとだけ泥棒みたいな気持ちになった。

合鍵渡されてるんやし。なんの問題もないよな。

と、自分で自分に言い聞かせながら中に入る。

末「おじゃましまーす。…Aー、おる？起きてる？」

寝てるかも、という思いからか、自然と小声になりつつも声をかけてみる。反応はないけど。

寝室の扉をできるだけ静かに開けると、ベッドの上でスマホを手に持ったまま丸まって、こちらに背を向けて寝てる彼女が見えた。

めちゃめちゃ寝落ちてるやん。

そーっと近付いて、顔を見ようと覗き込む。

チラッと見えたスマホには、友達と思わしき人とのトーク画面がうつってて、悪気なく読んでしまった。