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--- You side
カップを置いて、末澤さんの方に少し身体を向ける。
「末澤さん」
末「ん？」
「…………」
末「どした？」
同じようにマグカップを置いた末澤さんに少し顔を覗き込まれて、一気に体温が上がるのがわかる。
ちゃんと言わな。
「………わたし、末澤さんのこと、好きです」
末「え…ほんま？」
「はい。やっと気付きました。多分、もうとっくに好きやったのに」
目をまん丸にして驚いてたけどすぐに優しい顔になって、ふわっと抱きしめられた。
末「嬉しい、俺も好きやで」
少し身体を離され、目が合う。
末「俺と付き合ってくれますか？」
「ふふ、はい！」
末「あーー、やっとや。ちゅーしていい？」
「それ聞きます？(笑)」
フッと笑った先輩。
静かに唇が重なった。
末「A」
不意に呼び捨てにされて、ドクンと心臓が音を立てた。
「末澤さん…」
末「誠也って呼んでや」
腕の中で向かい合って、真っ直ぐ見つめられて。
これでもかってくらいドキドキする。名前を呼ぶだけのことがこんなにも難しいことか。
「……誠也」
末「目逸らした、もっかい」
手で顔を上げられる。
あ、その表情好きかも…
末「ほら、呼んで」
「…………誠也、ん」
言い終わるのとほぼ同時に短いキスが降ってきた。
末「やればできるやん」
そう言ってニヤッとした次の瞬間にはまた重ねられた唇。
あかん。苦しい。
いつの間にこんなに好きになってたんやろう。
自分でも知らんかった思いがどんどん露になっていく。
何度も何度も角度を変えて、たくさん求められて。
雨音とリップ音だけが響く部屋が、すごく特別な場所のように思えた。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
