・ ページ35
--- You side
小島くんと大晴くんは同期やけど年下なんよね。
普段はそんなことも忘れて過ごしてるんやけど、たまに年相応なガキっぽい部分が垣間見えて、可愛いなって思う時がある。わりとよくある。
今日小島くんが不機嫌なのは、私が昨日お誕生日おめでとうって言わんかったからなんやろうな。
そんなことでプリプリしてんの可愛いやんか。
でもちょっとだけかわいそうやから、ケーキとかを買って家でパーティでも開いてあげることにした。
デパートに着いて、ケースの中に並ぶキラキラしたケーキたちを眺める。
でも小島くんの好きなケーキとか分からんな。
なんでもうまいうまい言うて食べてくれそうではあるけど。
考えても分からんから、とりあえず私のお気に入りのいちごタルトと、無難にショートケーキとチョコケーキを1つずつ買った。
あとは迷いに迷って、小島くんがいつも家で着てるような変わったTシャツを1枚。
こんなんで喜んでくれるんやろか。
もはや面白くなってきて、ひとりニヤニヤしながらデパートを後にした。
Aもう10分くらいで着く!
小島健へい
一応連絡だけしといて、小島くんちの最寄り駅からのろのろ歩く。
梅雨真っ只中らしいけど全然雨なんか降らんし、もう夏なん？ってくらい暑くなってきたここ数日。
日傘をさして地面を見て歩いてたけど、ふと顔をあげるとすぐ先に本日の主役。
「あれ、来てくれたんや」
小「おん、暇やったからな」
なんやねんこの大荷物は〜とか白々しく言いながらケーキとプレゼントの紙袋を持ってくれる小島くん。
「小島くんお誕生日おめでとう」
小「遅いねん」
「1日くらい許して欲しいところではある」
小「ま、この荷物がプレゼントやったら許す」
「厚かまし(笑)」
こんな言い方アレやけど、こんな私に懐いてくれてること自体が可愛くて、つい甘やかしてしまって。
それは大晴くんも同じなんやけどな。
ほんま可愛いなぁって高い位置にある頭を撫でると、珍しく何も言わずにニコニコしてて、満更でもなさそうやった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 745人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
