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--- You side
いきなり抱きついても誠也は笑いながら受け止めてくれて、両手でぎゅうと抱きしめ返してくれた。
末「A、おかえり」
「ただいま！誠也っ、」
末「…会いたかった？」
「会いたかった。めちゃくちゃ会いたかった。」
末「俺も。」
大好きな誠也の匂いに包まれて、安心で泣きそうになって。
泣いて困らせたくないと思って我慢しようとするけど、どうしても目に涙がたまっていく。
末「もー、泣くことないのに(笑)」
「だって、嬉しくて」
末「ん、寂しかったな、ごめんな」
「ううん、」
今喋ったら確実に泣く。
何も言えずに黙ってると、私の頭をゆっくりと撫でながら『なぁ、』と続ける誠也。
末「今日泊まってっていい？おまえんち」
「え！いいに決まってる！」
末「んふ、ほな行こ。明日はゆっくりできそうやし。」
「ふふ、うん！」
地味に初めてやな、うちに来てもらうの。
一昨日くらいに急に思い立って片付けといてよかった。
エレベーターを降りて部屋の前まで行くと、玄関先にビニール袋に入った何かが置いてあった。
「ん？ まって、なんか置いてある…？」
末「あ、もう届いてたんや」
「え、？」
末「牛丼」
「え！？頼んでくれたん！？」
末「そ、一緒に食べよおもて」
「えー！ありがとう！
てか、え、ほな最初から家あがる気満々やん(笑)」
末「まぁまぁ、ええやん？」
「いやまぁ、ええけど」
この前、焼き鳥屋さんに迎えに来てくれた時に部屋が分からんかったからっていうので、一応教えといてって言われて教えてはいたんやけど。
まさかこんな使い方をしてくるとはね。
ちょっとしたサプライズやん。
できる男すぎて簡単にときめいた。…牛丼やけど。
「スパダリってやつか…」
末「なにそれ。なんかの略？」
「あれ、聞いたことない？なんやと思う？」
末「……スパークダリアン？」
「まってむり(笑) 面白すぎ(笑)」
末「いや分からんて！なんの略！？」
「スーパーダーリンね」
末「あー！なるほどな」
「でも誠也はスパークダリアンな(笑)」
末「しばくぞ(笑)」
そのまま軽口を叩きながら一緒に牛丼を食べて、時間も時間やし順番にサッとシャワーを済ませて。
ベッドに寝転ぶと、しっかり抱きしめてきた割にはすぐに寝息を立て始めた誠也。
やっぱりさすがの誠也も疲れてるよな。
「おつかれさま」
微動だにしない彼の形の整った唇に、そっとキスをした。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
