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--- You side
エスプレッソみたいな大人になりたい。
ずっとそう思って生きてきたけど、今、人生をかけて私だけのエスプレッソを作ってる途中やとすると。
苦味とか温かさはこれまでの私の経験でもなんとなく構成できる気がするけど、それを味わい深くするためには、これから歳を重ねていく中でもっともっと育てていく必要がある。
ただ、そこに自分だけでは知り得なかった甘味を足して豊かな味にしてくれたのは、間違いなく誠也やと思う。
真にかっこいい大人の姿とか、恋愛からしか得られへん幸せとか寂しさとか。
全部、教えてくれたんは誠也やから。
これからもずっと大事にしたいし、もっと沢山のことを誠也と一緒に経験していきたい。あわよくば、死ぬまで一緒にいたい。
まだ恋人になって1週間しか経ってないのに、不思議と心からそう思った。
そんなことを真剣に考えてると無性に気持ちを伝えたくなって、藪から棒なメッセージを一方的に送り付けた。
A誠也、私を見つけてくれて、色んな気持ちを教えてくれてありがとう。これからもよろしく。
お友達と楽しく過ごしてるところやろうけど、案外すぐ返事がきた。
末澤誠也どしたん急に
まぁその反応になるわな。
画面を開いたまま、なんて返そうかなぁと考えてると、少しして電話がかかってきた。
「…はい」
末『いや暗っ。どしたん、急にあんなん言うて』
「ぼーっと誠也のこと考えてたら、なんか言いたくなった」
末『俺のこと大好きすぎるやろ』
「うん、大好き」
末『ふっ(笑)』
丈『うわ！電波を通してまでイチャイチャしてる！気色悪…』
末『丈ほんま黙って(笑)』
「あ、友達とおんのにごめんな、急に変なこと言うて」
末『全然ええよ、電話かけたん俺やし』
「たしかに」
末『納得するんかい(笑) まぁまぁ、いつでもなんでも、気にせず言うてくれたらええから。俺もまた連絡するな。』
「うん、ありがと！じゃあね」
末『ほーい』
こんなことでも躊躇なく電話してくれるのも、何言うても否定してこうへんのも、やっぱり優しい。
満たされた気持ちでチーズケーキを平らげて、お店を出る時にスマホを確認すると返信が来てた。
末澤誠也俺も大好き
シンプルな言葉からは愛情が真っ直ぐに伝わってきて。
たったの5文字やけど、私の胸を締め付けるのには十分やった。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
