俺の女、私のヒーロー ページ20
--- Seiya side
朝、相変わらずギリギリに出勤するAを見てると、けっこうしっかりめに目が合って。
俺は面白半分でしばらく見つめてたんやけど、あいつはどうすればええか分からんって感じで挙動不審になってた。
そういえば会社では距離近いの無しって言われたな。
別にちょっとくらいええやんとは勝手に思ってるんやけど。
ただ、自分で言うのもなんやけど俺のファンみたいなんが一定数いるらしくて、もしもそいつらに絡まれたら…っていう一抹の不安はある。
福「今Aと見つめ合ってませんでした？」
末「え？…いや、べつに？」
福「いやいやいや！見てましたよね！？」
末「なんやねん、うるさいなぁ」
福「誤魔化せてないですやん(笑)」
末「いや誤魔化すもなにも…」
福「もしかしてですけど、付き合ったとかですか？」
末「えっ！？」
福「あーはいはい、なるほど(笑)」
こいつ意外と鋭いな。俺が隠すの下手なんか？
てか大晴にはどうせAから話すやろうし、言うてもええんか。
福「末澤さんわかりやすいっすね〜」
末「…もう言うわ。付き合った。」
福「あ、言ってくれた(笑) おめでとうございます！」
あ〜昼休みが楽しみやわ〜と言いながら仕事を始める大晴。
あかん、俺もやらな。
無理やり気持ちを切り替えて、溜まってた仕事をさばいていく。
月曜日ってどないしても憂鬱やったけど、今日はちょっとだけ気分が良い自分に気付いて、明らかに彼女の存在が大きいことも明確で。
早くも少し恋しくなった。
昼は、リチャと部署がだいぶ離れてることもあって基本1人なんやけど、今日はさすがに誘った。
リ「珍しいな、お昼に声かけてくんの」
末「まぁまぁ、良くない？たまには」
リ「え、どうせ付き合った報告とかそんなんちゃうん(笑)」
末「えっ？聞いた？誰かから」
リ「あ、ほんまにそうなんや」
末「てきとうに言うたんかい！」
リ「おめでとうさん」
末「ありがと」
さすがリチャードソン。察しが良い。
リ「末澤に彼女かぁ、色々めんどくさそうやなぁ」
末「めんどくさい？」
リ「ファンがいるやん」
末「あー、それはなぁ、、」
リ「ま、Aちゃんだけはちゃんと守れよ」
末「おう」
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
