あったかい ページ17
--- You side
2日ぶりに自分の部屋で1人で目覚める朝。
この週末だけで色々ありすぎて2日間が嘘みたいに長くて、でも幸せであっという間で、ちょっと不思議な感覚。
「今日からまたいつも通りか〜」
とはいえ、今までの平凡な毎日に戻るのとは少し違う。
あんまり上手くいってなかった仕事も、なんとなくまた頑張れそうな気がした。
家を出る前に一応スマホを確認すると、誠也から『おはよ』とだけ来てた。
用もないのに連絡を取ることでさえ、ほんまに付き合ったんやなってのを実感させてくる。
私も『おはよ！』とだけ返して、バタバタと会社に向かった。
席に着くといつも通り小島くんが先に来てたけど、無言でもぐもぐとパンを食べてる。
「今日の寝ぐせすごいな…もはや芸術…」
小「あ、おはよう」
「おはよ。どしたん、一生懸命パン食べて」
小「寝坊した」
「そうなん？それにしては呑気やねぇ、さすがです」
小「せやろ？ありがとぉ」
「褒めてはない(笑)」
座ってパソコンを開きながらチラッと誠也の方を見ると、あからさまにこちらを見つめてて。
「いや、え…？」
小「どしたん」
「いや、なんもな」
小「まって、末澤さんめっちゃこっち見てるやん」
いや、もう、ややこしいねん。
小島くんと大晴くんには勿論話すのは話すけど、今周りに色んな人がいる中で言うわけにもいかへんし…
とか思ってたら、大晴くんも私と誠也を交互に見て怪しんでるっぽい。
どうしようかと勝手にドギマギしてるうちに、誠也は少しニヤッとしてパソコンに向き直った。
あかんわもう、はよ言わな色々面倒やわ。
「小島くん」
小「はい」
「今日お昼ごはん外行こ」
小「おぉ、ええけど、おまえからそんなこと言うの珍しいやん」
「まぁちょっとね…」
小「大晴にも言うとくわ」
「うん、ありがとう」
・
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
