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--- Seiya side
朝、目が覚めて隣を見ると、すやすやと気持ちよさそうに寝てるA。
顔にかかる前髪をゆっくりよけると、綺麗なまつ毛がよく見える。
俺の横で安心して寝てる彼女が愛しくて、瞼に優しくキスをすると、ふっと微かに笑い声が聞こえた。
顔もちょっとわろてるし。
末「起きとうやん」
「うん(笑) おはよ。」
末「おはよ。いや、ちゃうやん！？」
「誠也キス魔なん？」
末「もう、さいっあく(笑)」
「かわいい(笑)」
上半身だけむくっと起きあがったAは、そのまま俺のお腹の上にうつ伏せで乗っかってきた。
末「どういうこと！？」
「なんとなく」
末「なんとなくで乗ることある！？」
「まぁええやん？」
末「そっちが言うことちゃうねん、それ(笑)」
ほんまに意味不明やけど、こういう朝を迎えられるのって幸せやな〜と、どこか他人事のように思う。
まだどこか実感がわかへん部分もあるんかもしれん。
末「しれっと匂いかいでない？」
「んー？」
末「てか昨日からずっとじゃない！？」
「やば、めちゃくちゃバレてる(笑)」
末「そんなに俺のにおい好き？」
「うん、好き」
末「俺の事は？」
「え？大好き」
末「ふっ(笑)」
「すぐ照れる(笑)」
Aも照れ屋やけど俺とはまた違うタイプで、自分からの愛情表現は真っ直ぐにしてくれる。
とりあえずベッドから出て着替えたりしてたんやけど、デートやしちゃんとしたいって言うから、サッと俺の身支度を整えたあと一旦家まで送って行って、マンションの下でAを待つ。
15分くらいで車に戻ってきた彼女は、前のデートの時とはまた違った雰囲気で、今日も綺麗やった。
「おまたせ！」
末「全然全然、ほな行こか」
「お願いしますっ」
なんか、初めて出かけた日がえらい昔みたいに感じるわ。
『誠也、今日もかっこいいな』なんて言いながら隣で楽しそうな彼女からふわっと俺と同じ匂いが香ってきて、そんなことにも幸せを感じた。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
