・ ページ40
--- Yoshinori side
久しぶりにAちゃんから連絡がきた。
誠也くんと一緒にお店に来てくれるらしいけど…1ヶ月ぶりくらいかな。
前に会った日から間もなく付き合ったんやろうなと察してたけど、2人の話を聞いたところほんまにそうらしい。
さらっと “誠也” って呼んでるしな。
一旦抜けてきて、こっそり買ってきてたケーキに蝋燭を立てて準備してると、お料理を運び終わった晶哉がニヤニヤして戻ってきた。
佐「正門くん、あの2人、バカップルかもしれないです…」
正「うそぉ、ちょっと意外やなそれは」
佐「というか、Aちゃんが思ったよりデレデレで」
正「ほう」
佐「『誠也は、私にとっては王子様やで』とか言うてました！きゃー！」
正「うるさいうるさい(笑) そうなんや、あとでいじったろ」
佐「俺から聞いたって言わんといてくださいね(笑)」
正「言わんでもバレるやろ(笑)」
そっか。もうそんなに心開いてるんやな。
俺の知ってるAちゃんは、もっと、かなり照れ屋で、そんなストレートに愛情表現するタイプじゃないはずやった。
…いや、たしかに無意識でとんでもない爆弾を落としてきたことは何回かあったけど、ほんまにたまにやったから。
正「誠也くんのおかげ、かな」
早くもできあがってる2人の信頼関係を嬉しく思った。
蝋燭に火をつけたケーキを持って部屋に入ると、パァと音が聞こえそうな顔でこっちを見るAちゃんと、え！？とでっかい声で驚いてる誠也くん。
「ケーキ！？なんで！？美味しそう！！」
末「え、なんのサプライズ！？」
なんやこの人たち。自分らへのお祝いやんか。
と思ったんやけど、たしかに付き合ったからってケーキでお祝いってのも変なんか？
正「おふたりさんが無事に結ばれたお祝いよ」
末「え、？(笑)」
「わざわざケーキで祝ってくれるんや(笑)」
末「そやねん(笑) いや、ありがたいけどな？」
正「やっぱり変やったかな(笑)」
「や、変やけどうれしい！ありがとうございます！」
末「うん！嬉しい！変やけどありがとう！」
正「めっちゃ変って言うやん！」
迷って小さめのホールケーキにしたけど、2人とも切らずに直接フォークで手つけてるし、美味しい美味しい言うてずっと食べてる。
2人とも甘党やもんな。もう既にけっこうなくなってる。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 746人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
