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--- You side
ひたすら喋り続けて、ふと時計を見るともうすぐ3時間が経とうとしてた。
「えっ、もうこんな時間！？」
末「ほんまや」
いつの間にかカウンターにいたおじ様たちも居なくなってて、別のイケおじが読書をしながらコーヒーを飲んでる。
「今日珍しくずっと喋ってたな」
末「たしかに。いつも無言の時間とかもあるもんな」
「無言の時間もそれはそれで好きやけど、なんか、楽しかった」
末「せやな、俺も楽しかった」
お会計の時、俺払っとくで、と言われてレジから少し離れたところで待ってたけど、マスターと何か話して嬉しそうな顔をしてた。
誠也があんなにニヤニヤしてんの、初めて見たな。
末「よし！じゃあてきとうにご飯食べて帰ろか」
「うん！なぁさっきマスターと何か話してなかった？」
末「あー、うん、話してたけど」
「なんか嬉しそうやったやん？」
末「まぁまぁ…え、聞きたい？(笑)」
「気にはなる」
末「話したっていうか言われたんやけど、」
「うん」
末「『お兄さん、愛されてますね』って言われた」
「…え？」
末「俺らの話がちょいちょい聞こえてたみたいでさ、『彼女さん、お兄さんのこと相当好きなんでしょうね〜』って」
「なにそれ！？あ、だからニヤニヤしてたんか！」
末「俺ニヤニヤしてた？！」
話しながら、あぁ私ほんまに好きなんやなぁって何回も思ってたから、それが見抜かれたみたいで恥ずかしい。
でも、そんなことで喜んでくれてる誠也を見ると嬉しくも思う。
「そんな簡単にバレるとはねぇ」
末「ってことは、当たってるんや」
「…せやな？」
末「ふーん(笑)」
車に乗って、シートベルトをつけて、エンジンをかける前に「A」と呼ばれる。
ぱっと見ると綺麗な顔が近付いてきて、ふわっと唇を重ねられた。
末「俺も、Aのこと相当好きみたいやわ」
そう言いながらこっちを見てくる誠也の顔はいつも以上に真剣で、顔に熱が上ってくる。
「…ほんまずるい。」
末「…Aだって」
「ん？」
末「そんな顔されたら帰したくなくなるやん」
あーもう。ほんまこの人には勝てへん。
そんなこと言われたら、私も余計に帰りたくなくなる。
でも2泊もしてしまったし、明日からまた仕事やからさすがに帰らんと。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年5月11日 12時
