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--- Seiya side
しばらくワイワイ喋ってると、ふと左手に何かが触れて、すぐに離れた。
なんやろと思って下を見るとAちゃんの手やったっぽい。
俺の悪い癖なんやろうけど、ちょっと意地悪したくなって今度はわざと手を当ててみると、またふっと避けられた。
諦めの悪い俺はもう一回同じようにしてみる。
そしたら早くも諦めたのか離れなくなって。
思い切ってそのままゆっくり手を重ねてみると、明らかに戸惑った様子で控えめにこっちを見てくるAちゃん。
やばい。めちゃくちゃかわいい。
口角があがるのを抑え切れんくて俯いて耐えてると、リチャが突っ込んでくる。
リ「こいつずっと笑ってんねんけど」
福「なにわろてるんすかー」
末「いやぁ、Aちゃんが面白くて(笑)」
テキトーに答えながらそっと手を離すと、Aちゃんは自分で自分の右手を握るようにすっと手を引っ込めた。
小「え、Aちゃん？」
福「Aちゃん呼び？」
「あ」
末「え」
あ、そういうのは話してないんや。てっきりもう何もかも伝わってるんかと思ってた。
小「おいー、そんな仲良くなったんやったら言えやー」
「ごめんやん、わざわざ言うこともないかと思ってん」
末「まぁ、わりと仲良うなったよ。今度2人で出かけるもんな？」
「末澤さんッ！！？」
末「これも言うたらあかんの？むずかし(笑)」
「あかんとかじゃないけどなんか…照れるし…」
福「想像の何倍もいい感じで驚きがすごい」
結局その後は俺らの話題で持ち切りで、大晴と小島は店を出ても尚ぎゃあぎゃあ言うてた。方面が違うから先にお別れしたけど。
「ありがとうございました！ご馳走になってしまって」
末「全然全然」
リ「ご馳走さまでしたー」
末「おまえはほんまはおかしいからな(笑)」
改札を通ったあと、俺は別の線やけどリチャとAちゃんが同じらしいから安心して任せて帰ることにした。
末「ほなAちゃん、また連絡するわ」
「はい！」
末「リチャもありがと」
リ「はいよー」
ありがとうございました〜と小さく手を振ってくれるAちゃんと、手を振りながらもさっさと帰ろうとしてるリチャに、軽く手をあげてこたえる。
なんかこの2人いつまでも見てられるなぁなんて思いながらホームへ向かった。
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作者名：きうい | 作成日時：2022年4月23日 9時
