13「狐の誤算」 ページ15
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大きな瞳をくりくりと丸め、澄んだ空色が上目遣いに見つめた。きょと、とした表情は小動物のようでごっつ可愛えけど、思ってたのと違う反応に度肝を抜かれる。
「はは、きょとんってしてる。かわい」
「おい角名、俺が見つけたんやからな?!」
「うるさいねんツム。なあ、名前なんて言うん?」
────だめだ、すごい、かわい
今までこんなに心の底から可愛いって思った子はいなかった。あの子顔可愛くない?あーせやな、みたいなことはしたことあるけど、それだけだ。
俺は3人みたいにキラキラしてるわけでないし、話しかけられるわけでもない。
でもなんか、初めて3人を恨めしく思った。
同時に自分が情けなくも思った。
「えと……今、友達を待っていて、」
「へぇ、どんなお友達なの?」
「だから角名!!横取りすんなや!」
あんな可愛い顔を間近で見てもなお普通に話しかけられる角名は、流石としか言いようがない。
嗚呼でも──声まで可愛えな。
淡いピンク色の唇から紡がれた彼女の声は、耳からするりと入って脳まで蕩けそうな程心地良い。
なんでやろ。なんか、いつもと違うな。
いつものナンパやったら3人もここまでしつこくせえへんのに、この子にはどうしても話しかけてまう。
彼女の魅力は、ほんまに人を夢中にさせる。
「あの私、これから大切な友達と会うので。
からかうのはやめてください。話しかけてくれたのに申し訳ないですが、失礼します」
────ほら、まただ。
そんなこと言うたら、双子も角名も更に興味が湧くだけなのに。
きっぱりとそう言った彼女は凛としていて、真っ直ぐにこっちを見つめる目は逸らしたくなるほど眩しい。
コト、と音がした。
思わずぎゅっ、と音がした部分を抑えると、そこはドクドクと鼓動が速くなっていた。
その子は急いでこの場から逃げようとしていたので、せめてもの思いで"ごめん!"のジェスチャーをした。
ぱちっ、と目が合い心臓が跳ねる。
息をすると肺が痛い。その目を見るだけで耳まで真っ赤になりそうな自分をなんとか抑えて、今自分にできるせいいっぱいの申し訳なさそうな顔をした。
彼女は眉を下げて微笑んだ。
俺の気持ちをわかってくれたのか、その目には同情のような気持ちが篭っていた。
もう一度ぎゅっ、と抑えると、今度はさっきよりも速くドクドクと脈を打っていた。
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更新サボっててすみません!
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ワ - いいなー!!!私も二次元入って宮兄弟にナンパされたいーーーー!!!てか友達になりたい!!この作品ちょーー面白いのでこれからも頑張って下さい!!!応援してます!!ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。 (2月9日 17時) (レス) @page1 id: 98e979a673 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - お帰りなさい!第一志望合格おめでとうございます!無理せず頑張ってください!応援しています! (2月7日 23時) (レス) @page18 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - お帰りなさいませ!!!更新復活ありがとうございます。映画の楽しみですよね!これからも無理なく頑張ってください 応援してます (2月7日 22時) (レス) @page18 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - おもしろくてすぐに読み終わりました(о´∀`о)続きが気になります😃更新頑張って下さい(*´∇`*) (9月3日 4時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
モモ - かーーーーーーーーーーーみです。ナンパされて当然だという格好をしていました。かぁぁぁぁぁかわいい!! (2023年1月7日 10時) (レス) @page15 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くせらや | 作成日時:2022年11月23日 17時