事件と邪魔 ページ8
「ねぇ、Aくん。私食べきれないかも…」
少し前から目をつけていたレストランで一つの机を挟み、女性と向かい合って座る。
大きめのパンケーキを意図的に頼んだであろう女性は眉を曲げAを見つめ、それに応えるようにAも微笑み返す。
「ふふ、半分こにしよっか？」
甘いセリフを吐いて、人の心を堕としていく。この人とはかなり距離近くなったし、そろそろ維持に入らないとまずいかな…なんて考えていれば
突如外から爆音が鳴り出した
「え、なに？」
「どこかの敵が暴れてるのかな…すぐに解決するよ、大丈夫」
そうは言ったものの音は一向に止まない。それどころか唸り声、叫び声まで聞こえてきて、とても食事できる雰囲気ではなくなってしまった。
店員も慌て始め、早々に避難するよう割引サービスの券を渡され外へと誘導されると、先程はくぐもっていて聞こえづらかった声がはっきりと耳に届く。
「……爆豪さん、ですか」
余裕そうに弧を描いていた口元は無表情に戻る。
「ごめんね。今日はもう帰ろう…」
言いかけたところで周りの声が大きくなり、その声が向かう先にいる人物が目につく
「バカ野郎！止まれ止まれぇ！！！」
「あれ？あの緑色の子…確かAくんのお兄さんじゃ」
あぁ、この子は仲良くなったから珍しく写真を見せたっけ、少しの後悔を抱きながらそれを隠すように微笑んだ。
「本当だ。心配だから行ってきても良いかな？危ないし早く帰りなね」
「うん…お兄さん無事だと良いね」
優しく言葉をかけてから足早に騒ぎの中心へと向かう。人混みのおかげで全くと言って良いほど近づけず、顔を合わせたのは緑谷出久が警察の事情聴取と、ヒーロー達のお叱りを受けた後だった。
「大丈夫？怪我とかしてない？」
座り込んだままの従兄弟に向かって首を傾げ、少し屈んで語りかける。
「あ、まぁ…」
いつもと違う態度に戸惑っているのか目も合わせようとしない出久に、Aは微笑んだまま足を踏みつける。
「い"っ！？！」
「あちゃ 足痛めてるの？大変、早く帰って冷やさないと…ね」
周囲の人間に聞こえるよう、わざとらしく口元に手を当てる身振りまで付けて訴える。「余計なことをするな」と
何か物申したそうな兄を無視して踵を返した。
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ravito - rusiさん» 素敵なコメントありがとうございます！不定期に書いてゆくのでどうぞ気長にお待ちくださいませ (11月23日 22時) (
レス) id: cfaa3a420e (このIDを非表示/違反報告)
rusi - 自分の感情含めてコントロールできる夢主くんの方がその点有利かな、という印象もあります。長文失礼しました、今後の物語も楽しみに読ませていただきます！ (7月29日 18時) (レス) id: 0702b91315 (このIDを非表示/違反報告)
rusi - とっても面白かったです！夢主くんの性格、甘い雰囲気と冷徹さの両面が素敵でした。個人的に、公式で周囲の掌握が上手い物間くん（拳藤さんが居なければB組全員を取り込んでいた人）とどんな関係になるか気になります。ただ物間くんは煽りという悪癖があるため、 (7月29日 18時) (レス) id: 0702b91315 (このIDを非表示/違反報告)
アンパン - すごく好き……こういう男主すきです……これからも楽しく読ませていただきます…！！ (7月29日 17時) (レス) @page7 id: a3ef485205 (このIDを非表示/違反報告)
テア(プロフ) - 面白かったです！こういう主人公の性格好きです。ここからどうなっていくのか楽しみにしています！ (7月29日 10時) (レス) @page7 id: caf8ce4f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ravito | 作成日時：2023年4月29日 21時
