彼の個性 ページ6
進路の話をされた日、Aはどうも落ち着かない様子で荷物をまとめていた。
…まぁそれもこれも自身の義理の兄が恥をかいていないか不安なだけなのだが
悠々と「雄英に行く！」なんて宣言された日には己の恥とでも言わんばかりに塞ぎ込む自信がAにはある。
「Aくん！今日って暇ぁ？」
「あー…今日はちょっと無理かな。また誘ってください」
悲しげに帰っていくクラスメイトをチラリとみると兄のクラスへ急いだ。
＿＿＿＿＿＿
向かう途中、爆豪らを見つけ駆け寄る。
「爆豪さん、さようなら」
「お、Aくんじゃん」
「……」
取り巻きは反応したものの、当の本人は睨むばかりで返さない。
「今お前の兄貴、ご傷心だから慰めてやれよ」
「ワンチャン泣いてる？」
心配などしているテンションではなく、明らかに緑谷出久を馬鹿にした上での発言だが、正直Aはよくわからないがどこか安心した気がした。
あぁ、この人達は今言ってきたんだ
「そうですか、赤ちゃん帰りしてないと良いんですけどね」
では、と言ってその場を去るが、この言葉選びがいつもの自分らしくないことに少し反省していた。
いつもの僕ならば言わなかったはずだ。やはり言葉が過激になってしまうのはよくない。いつかボロが出そうだ
教室にちょうどつき、中を覗けばのろのろと帰り支度をする兄が見えた。そのまま出ていくのもなにか癪に触ると、教室のドアに背を預け腕組みをしてその様子をしばらく観察する。
それにも飽きて数秒と経たず声をかけた
「…なに？泣いてんの？」
「えっ、…」
驚いたようにこちらを振り向いて思わず手に持っていた教科書を落とす緑谷に近づき、それを拾い上げる。
「はい。鈍臭い」
呆気に取られたようにしていたのも一瞬で
「…Aには関係ないだろ」
と、教科書をAの手から受け取るとカバンに視線を向けた。
「そう。僕これからまた約束あるんで、余計なことしないでよ」
それだけ残して別れの言葉も言わずに、羽を出したかと思えば窓から飛び立つ。
「こっ、校内での個性しようは原則禁止、！」
「空はもう校内じゃないから」
彼の個性は…
サキュバス
幻覚を見せ、人を惑わせ、美しい姿と官能的な誘惑で人を堕落させる。
それはある人には天使であり、ある人には悪魔なのだ。
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ravito - rusiさん» 素敵なコメントありがとうございます！不定期に書いてゆくのでどうぞ気長にお待ちくださいませ (11月23日 22時) (
レス) id: cfaa3a420e (このIDを非表示/違反報告)
rusi - 自分の感情含めてコントロールできる夢主くんの方がその点有利かな、という印象もあります。長文失礼しました、今後の物語も楽しみに読ませていただきます！ (7月29日 18時) (レス) id: 0702b91315 (このIDを非表示/違反報告)
rusi - とっても面白かったです！夢主くんの性格、甘い雰囲気と冷徹さの両面が素敵でした。個人的に、公式で周囲の掌握が上手い物間くん（拳藤さんが居なければB組全員を取り込んでいた人）とどんな関係になるか気になります。ただ物間くんは煽りという悪癖があるため、 (7月29日 18時) (レス) id: 0702b91315 (このIDを非表示/違反報告)
アンパン - すごく好き……こういう男主すきです……これからも楽しく読ませていただきます…！！ (7月29日 17時) (レス) @page7 id: a3ef485205 (このIDを非表示/違反報告)
テア(プロフ) - 面白かったです！こういう主人公の性格好きです。ここからどうなっていくのか楽しみにしています！ (7月29日 10時) (レス) @page7 id: caf8ce4f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ravito | 作成日時：2023年4月29日 21時
