善悪 ページ4
しくしくと泣きながら自身の事について話し始めた女子生徒を冷めた目で見つめる。
馬鹿みたい、なんて言ったら泣き崩れるんだろうか。彼女の話す単語は一つも頭に入ってこないが、それらしい相槌は打ち続ける。
「私、どうしたらいいかわからなくて…こんなことAくんにしか相談できなくて」
「そっかぁ…話してくれてありがとうございます。」
言い切ったところで廊下から声が聞こえてきた。時計を見ればもう皆が登校する時間だ
「あ、Aー！はよ」
「おはよ」
友達に適当に挨拶をして女子生徒の方に振り向くと、小さく耳打ちをした
「僕に任せて、ね？」
＿＿＿＿＿＿
数日後、Aに相談を持ちかけた女子生徒は明らかに孤立していた
その内訳なんて「〇〇ちゃんがいじめられてるらしいんだけど、何か知らない？僕助けてあげたくて…」と周囲に言いふらしただけだ。
そもそも嘘であることはわかっていた。だからその嘘を最悪の方法で暴いた。
そしてそれを良しとしない者は身内にいるが…
「A、最近木代さんって人が学校来てないらしいんだけど。何か知らない？」
「出久さんに関係あるの？それ」
部屋に入る前に兄弟に呼び止められたおかげで、端正な顔を歪め冷たく吐き捨てる
「その人嘘つきだって、Aに好かれるために…嘘ついたって噂になってた」
「…だから？」
「…こういうやり方好きでしょ、A」
あぁ、こう言うところで無駄に鋭い。そりゃあそうか、腐っても血縁、長年いることはいる
「好きじゃない、ただ卑怯なやり方が気に入らなかっただけ。他人を悪者にして自分だけ心配されようとするのが嫌だっただけ」
「それなら本人は傷ついてもいいっていうのか？」
「因果応報って知らない？」
出久も気が付いてはいるのだ、少なからず正義という二文字がAの中にもあること。人を根本から憎んでいるわけでもなければ、世を変えてやろうと気もないこと。
それでも相入れない、やはり違う
「誰にだって都合のいい世の中なんてないよ」
「それは…そうかもしれないけど…」
問い詰めておいて不甲斐ない深緑にため息をついて、呼び止められるのも気にせずに部屋へと入った
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ravito - rusiさん» 素敵なコメントありがとうございます！不定期に書いてゆくのでどうぞ気長にお待ちくださいませ (11月23日 22時) (
レス) id: cfaa3a420e (このIDを非表示/違反報告)
rusi - 自分の感情含めてコントロールできる夢主くんの方がその点有利かな、という印象もあります。長文失礼しました、今後の物語も楽しみに読ませていただきます！ (7月29日 18時) (レス) id: 0702b91315 (このIDを非表示/違反報告)
rusi - とっても面白かったです！夢主くんの性格、甘い雰囲気と冷徹さの両面が素敵でした。個人的に、公式で周囲の掌握が上手い物間くん（拳藤さんが居なければB組全員を取り込んでいた人）とどんな関係になるか気になります。ただ物間くんは煽りという悪癖があるため、 (7月29日 18時) (レス) id: 0702b91315 (このIDを非表示/違反報告)
アンパン - すごく好き……こういう男主すきです……これからも楽しく読ませていただきます…！！ (7月29日 17時) (レス) @page7 id: a3ef485205 (このIDを非表示/違反報告)
テア(プロフ) - 面白かったです！こういう主人公の性格好きです。ここからどうなっていくのか楽しみにしています！ (7月29日 10時) (レス) @page7 id: caf8ce4f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ravito | 作成日時：2023年4月29日 21時
