105 ページ31
．
『何故、何故お前がここにいる！！
鬼舞辻無惨！！！』
彼奴は何をしたのか、床に散ったセメントのカケラを使って私の刀をギリギリで防ぐ。
『何で、何で！！お前が！！！』
私の殺気で空間が凍りつく。が、そんなことはどうでもいい。
そう、何故、コイツが、ここに。
(Aがあそこまで殺気を出したのは……俺が見た中だとあの屠朽幻とかいう奴だけだ。つーことはあの野郎…相当強え鬼か？)
「判断が鈍っているのではないか、不死川A」
真紅の双眸と視線がかち合う。
瞬間、手足から力が抜け、私は膝から崩れ落ちた。
『なんッ……、ッ個性……！！？』
何だ、これ。立てない、体が言うことを聞かねェ。
コイツの血鬼術はこんなじゃなかった。
つまり、個性以外、考えられない。
『クッソ………説明、しやがれ……！！』
鬼舞辻は口から牙を覗かせる。
「私の個性は、“支配”だ。視界に入っている物を意のままに操ることができる。
先程のように視線が合えば、人間も支配下に置くことが可能だ。まぁ、鬼殺隊相手にはあまり有効ではないがな」
………たしかに、私は鈍っていたようだ。
昔の私なら、怒りで我を忘れて飛びかかるなんてこと、恐らくしないだろう。
『なんで、ここにいる』
今は、きっと害を為さない。
そう判断し、静かに殺気をしまった。
凍りついていた空間が動き始めるのを感じる。
アイツが、私を見下ろしながら口を開く。
「監督の為だ。産屋敷から仰せつかっている」
耳を疑った。
『お館様が……！？』
一体、どんな考えがあってコイツを引き入れたんだ…？
分からない。
だが、私は、私たちはお館様に全幅の信頼を寄せている。
ならば、信じ、従うしかあるまい。
残していた警戒を解く。
それに気づいたのか、鬼舞辻も僅かに気を緩めた。
同時に、かけられていた個性も解ける。
「僅かながら、個性の効果的な使い方、応用的な使い方は教えられる」
『………あっそーかよ』
傍らに転がっていた日輪刀を手に取り、私はセメントの足場を跳びつつ元いた場所へと戻った。
．
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←作者です
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 570人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橙沼(プロフ) - 更新楽しみに待っています！ (3月12日 0時) (
レス) @page31 id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ - ミホさん» ありがとうございます！かなりゆっくりにはなりますが、また頑張ってみようと思います。待っててくださってありがとうございます！！ (9月18日 22時) (レス) id: 4ef44e5210 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ - オタクの小５男子さん» ありがとうございます！ (9月18日 22時) (レス) id: 4ef44e5210 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ - オタクの小５男子さん» コメありがとうございます！たしかに、ちょっとキリヲ先輩意識してるかもですね……屠朽幻の漢字は、頑張って探してみて下さい。一つ言っておくと、あまり良い意味ではないです。 (9月18日 22時) (レス) @page30 id: 4ef44e5210 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - 更新待ってます！でも無理しないでください。 (9月7日 16時) (レス) @page29 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぐれ | 作成日時：2022年7月10日 21時
