2個上の先輩【kzh】 (ページ12)

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「Aちゃん、ごめんね」と、イブラヒム先輩に言われる。委員会に出れなくて1人になっちゃうらしい。

何の委員会してるかって？環境委員。なんか寝てたら勝手に決められた。外仕事多いから今すぐにでも辞めたいんだけど、仕方ない。

『はぁ…あっつ、、本当に、六月なの、、』

花壇に水やりをしていると、後ろからヒヤッと冷たいペットボトルを頬に当てられた。思わず声が出てしまって恥ずかしさが増す。振り返ると長袖長ズボンを着た葛葉先輩がいた。

葛葉「…ん、やる。」

『え、、あ、ありがとうございます…』

葛葉「ん、」

冷えた飲み物を先輩から受け取り、一口飲んだ。

『あの、昨日はすみませんでした。頬ビンタしてしまって』

葛葉「いや、別に…俺が悪かったし、」

先輩は、視線を逸らして申し訳なさそうな顔をする。
反省はしているんだな、その感じは。

葛葉「…手伝うわ、」

『えっ、大丈夫ですよ！先輩に手伝わせるのは申し訳ないので。』

葛葉「いいから貸せ、お前日陰に居ろよ、顔赤いから」

先輩にホースを奪われ、日陰の方に連れてかれる。なんだろう、昨日からずっと気を使われてるのか、特別扱いされてるのか、仕方なく日陰の石階段に座って水やりを代わりにしてくれている先輩を見る事にした。

あ、そうだ…先輩に、お礼しなきゃ、
自販機に行って適当に飲み物を買う。好きな物わかんないしなぁ… 適当に、いちごオレでもいいかな。

葛葉「終わった、帰るぞ」

『え、ちょ…』

先輩に腕を引かれ連れて行かれるがまま。でも、向かってる場所は寮では無くて、屋上。なんで屋上…？

葛葉「ここまで来れば大丈夫だろ、」

『先輩、なんで屋上に…？』

葛葉「あー…他の奴らに見られんのは面倒だから、」

納得した。そうだった、サボり魔先輩は、モテるんだった。女嫌いで人見知り群がってくるやつらや先輩のファンたちが黙ってないだろうね、そりゃ。

葛葉「なぁ、そのいちごオレくれねぇ？」

『授業真面目に受けたら、あげてもいいですよ』

葛葉「ｯﾁ…わかった、」

私の手元に持っていたいちごオレを欲しいと言っていた
お礼として買ったものだけど、さすがに生徒会長の叶先輩も困っているのを知っていたから、条件付きで言ってみたらすんなり分かったと言ってくれた。はへ〜〜、案外素直でびっくりした。

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