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「お邪魔しまーす…」
葛葉の後ろに続いて、マンションの一室に入っていく。室内はとても綺麗で、ほんのりと花の香りがする。
「お帰りなさいませ。葛葉様。」
小さなぬいぐるみのような豚が二足歩行でこちらへ歩いてくる。か、かわいい…！
「こちらが先程連絡頂いた方ですね。
私はブタと申します。よろしくお願いします。」
礼儀正しくお辞儀をするブタさんにあわせて私も一礼する。ブタさん曰く、このマンションは2部屋購入したそうで、隣の部屋でブタさんは暮らしているとのこと。必要があればSNSで呼び出して欲しいと連絡先を交換した。
「あの、私も手伝えることは手伝いたくて…」
「Aはいいんだよ。ブタに任せとけばどうにかなるし。」
葛葉は、欠伸をしながら部屋へと帰って行く。何も手伝わないのは居候としてどうかと思うが…。
「それでは、A様には食事を手伝ってもらいましょう。」
ブタさんは可愛らしい両手をぺち、と叩きキッチンへと向かった。と思えば、キッチンに立っているのはブタさんではなく、桃色の髪の長身の男性だった。
「え？あれ？ブタさんは…？」
長身の彼は、一瞬キョトンとした顔をしたが、「わたくしですよ。」と微笑んだ。どういうことだろう…。
「私は葛葉様の住んでいた魔界に居たブタなので、人間の姿にもなれるんです。」
料理する時もこちらの方が楽ですからね。そう言って彼は割烹着を着た。この時代に割烹着って…魔界ってそんな後進国なの…？
「ささ、こちらへ。今日の夕御飯はカレーですよ。Aさんは野菜をお願いします。」
「は、はい！」
一人暮らししていた頃に料理はある程度やったので、包丁の腕には自信がある。トン、トン、トンと手際よく野菜たちを乱切りしていく。今日は人参とじゃがいも、玉ねぎを入れるらしい。切っている時に、手際が良いですねと褒められて少し照れてしまう。
「さぁ、ご飯にしましょうか。」
葛葉を呼びに行くために部屋をノックする。返事がないので勝手に中に入ると、ソファで幸せそうな寝息を立てているのを見つけた。足元のものの間を縫って近づく。
「…ぇ」
何か夢を見ているのか、寝言を言っている。とても微笑ましくて暫く眺めることにした。
「…ぬな。叶…、俺を置いてかないで…」
いつの間にか、目には涙が。心配になって声をかけようと触れた時───
「いやだ！行くな叶！」
目を覚ました葛葉は、私にこう言った。
「今のは…見なかったことにしてくれ…。」
元気をくれるライバー
りりむ
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夢見る蛍(プロフ) - ひすいさん» ありがとうございます！！！ (2020年8月22日 12時) (
レス) id: 2b7812a210 (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 読み終わりました！参加ありがとうございます！ (2020年8月22日 12時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る蛍(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます！ｵﾘｼﾞﾅﾙﾌﾗｸﾞ外しました！教えていただき感謝です…！これからも応援よろしくお願いします。 (2020年8月17日 17時) (レス) id: 2b7812a210 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ｵﾘｼﾞﾅﾙﾌﾗｸﾞを外しましょう、違反になってしまい、低評価が入ってしまいますよ……！文はとても好きです、応援しています！ (2020年8月17日 16時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢見る蛍 | 作成日時：2020年8月17日 15時
