弐 ページ3
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「…あァ」
返ってきたのは、少し掠れた低い声。
『失礼致します』と再度声をかけ、静かに襖を開ける。
隙間から見えたのは、顔に無数の傷がある銀髪の綺麗な強面の男性だった。四方八方に向かって伸びるその髪色は、かつて恋焦がれ別れを告げたあの彼を思い出させた。
『…初めまして。』
「…あァ、どーも。」
…この方は、私を買いに来たのではないの?
余りに興味の無さそうな反応にどうすれば良いのか分からなくなる。本来、私に会いたくてお金を払ってまで買うはずなのに目の前のこの人はまるで私に見向きもしない。
花魁ともなれば買うためのお金だって決して安くはないし、お金を払えばその日に会えるとも限らない。
花魁は、店の顔。
一目見ようとたくさんの人が買いたがる。
はずなのに。
『あの、今日はどうして私を…?』
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「知らねェよ。あいつに店一番の別嬪を買わされただけだァ」
本当、この方はよく分からない。
それが私の彼に対する第一印象だった。
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kiki11241(プロフ) - 天元オチはないのか( º言º) (2021年5月12日 14時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 音柱編も好きだったけど、風柱編の方が好きでした(^^) (2021年5月12日 14時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ド悶絶だわよ!!! (2021年5月11日 23時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - 柚葉さん» 男前な実弥さんに悶絶してくれたようで嬉しいっ! (2021年5月11日 22時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - 環さん» たまちゃんいつも褒めてくれる…っ!語彙力無くせたのが私としては嬉しいぜっ!!私もラヴ (2021年5月11日 22時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏海 | 作成日時:2021年5月5日 19時