baseball girl ② (ページ10)

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柳田悠岐ページ10

「ギータさん♪」

柳「なに？…ギータさんって笑」

「そんな大声で言わないで…！悠岐って呼ぶ訳にはいかないから…！！」

そうやって仕事以外の事じゃ小声で話してくる

俺とAが付き合ったらダメなんて誰が決めた？

柳「なにがいかんの？」

「バカ！？普通に考えて球団職員と選手が付き合ってるなんておかしいから！！」

柳「何？聞こえん？」

小声で話すAにわざとらしく近づくと顔を真っ赤にした

本当は聞こえてるんだけどさ

「ねぇ…バレたらダメだから！！」

柳「Aはこの仕事しとって楽しい？」

いっつもAは先輩にこき使われとって、俺と仲が良いからって理由で同僚にもハバにもされとる

正直見てて辛い

Aを養えるだけのお金はあるから

その覚悟だってずっと今までもしてきてる

「どうだろう…。」

柳「俺のせいでハバにされとるか言いたくないんだろうけど俺知ってるから」

「そっか…ごめんね？」

泣きそうなAをギュッと抱きしめるとすぐに押し返される

「だからさ…ダメだからね？」

柳「じゃあこっち来て。」

Aの腕を引っ張って連れてきたのはロッカールーム

正直ここなら選手以外は入って来ない

でも今皆は遠征中。俺は1人でリハビリ中だから大丈夫

タマスタは遠いからってドームを開けてもらってる

ロッカールームに入ってギュッと抱きしめるとAから涙が溢れ出した

「楽しくない…。すごく辛い。もう辞めたい、」

柳「やっぱりな。なんで今まで言わんかった？一人でいっつも溜め込んで…逆にそれが俺にとって辛いから。俺のためにって思ってくれるのは嬉しいけど。」

柳「もう我慢せんでいいから。俺と結婚しよ」

「うんっ…！！」

Aはその後仕事を辞めて俺の家にやって来た

あとから聞いた話だけど本当はもっとかっこいい場所でのプロボーズを待ってたんだってね

でも幸せだからいいじゃろ