彼女がいない職場など ページ6
―――｢おや、ノンキャリアが未熟を棚に上げてキャリアに遠吠えですか｣
気が付けば、僕は給湯室の入り口に仁王立ちしていた。
あれだけ花を咲かせていた清々しい顔が途端に気まずそうになるのを見ると、厚い冷笑の裏で身体から抜けた血の気が益々頭頂で滾り、腑が煮えていた。
｢彼女は新人の頃から仕事だけでなく雑用も完璧にこなし、文句など一言だって漏らさなかった。
また、その完全無欠さを武器にすることでどんな気難しい相手をも唸らせてきた。
その結果、ここまで牙城を築き上げてきたのです。
それに較べ、あなた方は腹いせに彼女を貶めるだけじゃああきたらず泥を塗ろうというわけですか｣
舌を滑る辛口に彼女らの腕や指からはどんどん生気が失せ、もはや壁や床に同化しそうに白かった。
蛍光灯に照らされた表情なんかは額から蒼く影を落としている。
｢あ……あの、坂口先輩…｣
｢……あなた方こそ、吠える相手を間違えると自分の首を締めますよ｣
｢……!!…ご……ごめんなさ……｣
｢僕は、使えない人間を労る趣味はありません。口先だけの謝罪を聞くのは時間の無駄なので行動で示してください。さぞ成果が見込めるのでしょうね｣
｢………っ!!｣
更に深く突きつけると、彼女らはとうとう堰を切ってさめざめと泣き始めた。
いっそ面白いくらいのそれを悠然と見下ろしつつどこかで、『やってやろうじゃないの駄目上司!!』と睨みの効いた歯応えを期待したものの、透けそうな二つの喉はただひたすらにしゃくりをあげるばかりだ。
―――後日僕は退職願を二つ受理した。
思わず舌打ちをすると、自分でも自分にしては珍しいと思うほどの悪態ぶりが可笑しくなり、｢つまらないですね｣と“しるし”のついたカレンダーに吐き捨てた。
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桐 - おぉ早い！ありがとうございます<(_ _*)> (2017年12月27日 23時) (
レス) id: 04a457cb17 (このIDを非表示/違反報告)
kyyk(プロフ) - 桐さん» 桐さんへ
リクエストありがとうございます！
クリスマスもいよいよ本番ですね(*´∀｀*)Merry Christmas! (2017年12月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 528c1861fb (このIDを非表示/違反報告)
桐 - リクエストです！カレンダーと安吾さんを絡めて欲しいです(゜-゜)(。_。)いつも楽しく読んでます。これからも頑張ってください！応援していますo(^-^o)(o^-^)o (2017年12月24日 20時) (レス) id: 04a457cb17 (このIDを非表示/違反報告)
kyyk(プロフ) - 夜桜 暁さん» 夜桜 暁さんへ…コメントありがとうございます(･ω･)ゝ最近中々頭が働かないので地道に地道に更新ネタを考える日々です。
それでも見放さずに応援してくださる温かい言葉にとても支えられております(´;ω;｀)ありがとうございます!! (2017年11月11日 18時) (携帯から) (レス) id: 528c1861fb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 暁 - この作品が大好きです！ずっと前から、応援させて頂いてます。これからも頑張って下さい。コメント失礼致しました。 (2017年11月4日 5時) (レス) id: c5e0ba92a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kyyk | 作成日時：2017年5月3日 12時
