復讐の堕天使【EXILE TRIBE】 (ページ2)

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Aside

A「ねぇ、HIROさん。」

HIRO「ん？」

A「この事務所、ぶっ潰してもいいですか？」

その一言から、全てが始まった。

HIRO「これまた急だな…、」

溜め息を吐きながらそう返すHIROさん。

そうは言いながらも

HIROさんの顔も口角が上がっていて

まるで私のその言葉を待っていたみたい。

A「もう、我慢できないんです。」

白い肌に映える青痣をつぅっとなぞる。

痣だけじゃない。

火傷

傷痕

彼らにつけられた痕はまだまだある。

A「ガールズちゃんたちも賛成してくれましたから」

HIRO「事務所を潰すって…。具体的には？」

A「ん～、TRIBEの皆さんには1人ずつ社会的に死んでもらって？その後に追い込みを掛けようかなって。」

HIRO「まぁ、お前らしいな。」

あとはHIROさん、貴方が頷くだけ

私は早く復讐したくてたまらないの。

HIRO「天使も、堕ちたもんだな。」

天使なんて。

そんなのただのキャッチコピーにしか過ぎない。

確かにデビューしたての私は

清純な天使だったかもしれない。

けどこの世界で白いまま生きていくなんて

到底できないことで。

今の私は薄汚れた堕天使。

A「ねぇ、良いですよね？」

HIRO「俺は別にいいけど」

A「意外と軽いんですね笑」

HIRO「この事務所もかなり腐ったからな～。
そろそろ解体の時期だとは思ってたんだ。」

ホラHIROさん。

貴方だって私と比べ物にならないくらい腐っている。

仮にこの事務所を潰したとして、

LDHに務めているスタッフさんは職を失う。

家族がいる人もいるでしょうに。

でも私だって完全に悪魔になったわけではない。

HIRO「お前のことだ。
スタッフたちのことは考えているんだろうな。」

A「さすが、分かってらっしゃいますね。」

私にだって良心は残っている。

私に無害だった人は助けてあげる。

A「私の親友のモデルの父親がある芸能事務所の社長なんです。スタッフさんはそこに移ってもらうよう話はつけましたから。」

HIRO「ははっ笑、さすが手が早い。」

目尻にシワを寄せて笑うHIROさん。

HIRO「俺のことは気にしないでいいから、好きにやっていいぞ。」

A「ありがとうございます。」

恩人の作った事務所を潰すのには

少し抵抗感があるけれど

これも全てあいつらのせいね。