十六話 ページ17
次の日、クラス発表を確認したルティフィは騒がしくなる前に教室に移動する。移動した先にあったのはボロボロの、廃墟と見間違うほどの扉。思わず絶句しながらも中に入る。
そして、襲いかかる全ての武器を指輪に宿るイフリートの炎が跡形もなく燃やし尽くした。エイトからの結婚指輪は、持ち主の身に傷を付ける恐れのある攻撃に対してドーム状の炎の護りを作り出す魔具だ。愛する妻に傷を付ける行為を断じて許さない、そういった想いが込められている。だからこそ、ルティフィは自分を傷つけようとした相手を許さない、炎を使わせた相手を許さない。
『……誰ですか、このような低俗な悪戯の為に旦那様の炎を使わせたのは』
「「「(やっばいの来たーー!?)」」」
この時、問題児クラスにいた生徒全員が恐怖を抱いて死を感じた。皆が一歩下がり、ルティフィが一歩前に出る。そうして壁際に追い込まれた生徒達は本当に終わったと震えるが、そこに一筋の光が差し込んだ。
「……ヌルイわぁ!!!」
発動した罠を全て受け止めた悪魔が現れたのだ。壁際に追い込まれた生徒全員が、今のうちにと全力で話題をその悪魔、サブノック・サブロに移した。あまりの速さに怒りを忘れてしまったルティフィはどうでもいいと1番後ろの窓際に座って絵を描き始めた。
一方その頃、次に入ってくる生徒が何本避けれるかの
賭けが始まり、理事長の孫にして特待生のイルマが全ての武器を避けるという快挙を成し遂げた。
「まぁ、全部
「燃やっ!?」
そう言ったシャックス・リードは燃やすのところでルティフィを指さす。それにつられて思わず指さす方を見たイルマはその光景に目を奪われた。目元が認識できなくても可憐だと理解出来る、儚く美しい白い悪魔がキャンバスを前に筆を優美に動かしていた。しかし、目元が認識出来ないことに疑問を浮かべる。そんなイルマに、彼の”オトモダチ”であるアスモデウス・アリスがそっと耳打ちをした。
「彼女の目元を覆っている面布は認識阻害の魔具の一種のようです。私にも彼女の素顔が見えません」
「えっ!あ、そうなんだ……」
「筆のような特徴的な髪から、彼女はピクトゥーラ一族の者でしょう。イルマ様が警戒する必要はございません」
「え!?なんでそうなるの!?」
「(しかし妙だな。ピクトゥーラ一族に白色を持つ者がいるという話は聞いたことがない)」
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し - めちゃくちゃ好きです!!!!!!!!!!!!!更新頑張ってください! (4月28日 11時) (レス) id: fc92663274 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暇潰し | 作成日時:2024年3月10日 22時