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7色のキュータマ。それを私は医務室備え付けのベッドに転がって眺めていた。2色分減った理由は何だろうか。時間経過によるもの、とも考えたがもしそうだったらあと1,2色ほどしか残っていないはずなので他に原因があると考えられる。
ピンポーン、とインターホンの音。
「カイちゃん、メアだよ」
「あっ、今開けます」
入口近くのボタンでロックを解除して彼――メアを中に入れる。彼はここの3年ほど前に配属されたインダベーで、私の友人だ。
「本当カイちゃんはいつでも変わらないねぇ、ずっと見た目9歳だけど、今何歳?」
「私の出身の星は1番能力を発揮できるときに肉体の成長が止まるから。あとメア、淑女に歳を聞くとは一体何様のつもり?」
メアはしまった、とでも言っているような表情。でも次の瞬間、勝ちほこったような表情になる。目の色は変わっていない。私は全身の筋肉が硬直したようにまばたきひとつできないということに気づいた。でも脳みそは動くようだ。
「カイちゃん、何歳?」
「じゅ、18です……」
無理矢理口の筋肉と声帯が動く、いや動かされる感触が本当に気持ち悪い。それにしても、
「メアってやっぱりへびつかい座系出身なんだ」
身体が解放されたようですごく気持ちがいい。
「元から感情があるから異端だけどな。それにしてもナーガのやつ何を思って「感情が欲しい」だのなんだの言ってやがるんだ、蛇にらみを上手く使えるからって調子に乗りやがって」
「私はメアの方が上手いと思うのだけれど」
蛇にらみは数秒間相手の動きを止められるだけの能力でさっきのように無理矢理喋らせることはできなかったはず。
「ああ、それはここに転がってたカラフルなキュータマの力を使って――」
「!」
私はメアからキュータマをぶん取って、色を確認した。青、緑、黄、黒、桃、橙。6色に、そう、6色だった。
「もう、出てって!」
その辺にあった致死性のある毒のラベルを貼った薬ビンをメアに投げかけんとばかりに持つと、彼は逃げていった。ビンの中には最初から水が入っているのだが。
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赤月青桜(プロフ) - 更新待ってました!これからもがんばってください! (2017年7月3日 21時) (レス) id: f6f519c71e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - イベントへの参加改めてありがとうございます!凄い細かく書かれていて珍しく改行のし過ぎの無い小説!って感じの小説を読めました!これからも更新頑張って下さいね! (2017年3月11日 22時) (レス) id: af8dad474e (このIDを非表示/違反報告)
柊沢花月(プロフ) - 新作おめでとー!大丈夫、きっと俺にしかバレてない←更新頑張れ! (2017年3月8日 21時) (レス) id: aaf9023767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金平糖風味の天の原えのり | 作者ホームページ:https://twitter.com/Danse_de_la_Fee
作成日時:2017年3月7日 22時