ありがとう ＊ ページ36
「とわッ…！？」
「___ｯ！！！」
意識が、戻った。
でも、そこで見たものは絶望だった。
綺麗な彼女の体に赤黒い液体と、私の手が貫通している。
ナユは、口から液体を吐く。
私は一瞬でこの状況を理解することは出来なかった。
なんで？なんで私の手がアイツの体を貫いている？
__何で、彼女を殺そうとしている？
「とわこ！！！」
ちょすの怒った声が聞こえる。
急に恐怖感が私を襲う。
私は素早く苦しそうなナユを離す。
「ナユ…！！ナユ！！しっかりしろ！！」
彼女の口からはカヒュｯという呼吸の音しか聞こえない。
やめて、死なないで。
「ナユｯ……！？」
そこには、どんっ と私の手を退けるちょすが居た。
「どけ、とわこ。」
キッ と睨み付けられる。
私はこの状況で何か言える筈もなくおずおずとさがる。
「ナユ！ゆっくり呼吸をするんだ！
…そう、その調子。」
ナユの呼吸が落ち着いてきた。
「あ……ちょ…す…？」
「そうだ！！大丈夫か……？」
「だいじょぶ…。それより、とわくんは…？」
「ｯアイツは…！！」
「とわくｯ…おいで…。」
ダメ。私はナユの方に行く権利はない。
守るって決めたはずなのに。
「とわくｯ…おれいを、言いたいの……。」
やめて。
「…とわくん、私楽しかった。
とわくんに、出会えたこと。
三人でたくさん、遊んだこと。
たくさんの、思い出をありがとう。」
やめて、もうすぐ死ぬみたいにしないで。
「とわくん、ちょす…。
こんな…こんな私と、仲良くしてくれて、ありがとう……。」
そう言うと、彼女はゆっくり目を閉じた。
「うｯ…うわぁああああ！！！！」
ちょすの嘆き声が聞こえる。
私はまるで、時が止まったかのように固まっていた。
私に、泣く権利なんて、ない。
ごめんなさい。私が、私がナユを殺した。
「あｯ…！！あぁｯ…！！！！」
ちょすの泣く声が聞こえる。
心が、締め付けられる。
私のせいで。私がいなかったら、こんなことにはならなかったはずなのに。
「とわこｯ…！！お前ｯ！！」
「…」
何も、言えない。
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でんち(プロフ) - コメントありがとうございます。好きと言って下さり嬉しいです...ｱﾘｶﾞﾄｳ...ｱﾘｶﾞﾄｳ...頑張って更新するので気長にお待ちくださいm(*_ _)m (2018年7月30日 16時) (
レス) id: 583bffaab3 (このIDを非表示/違反報告)
結季 - 初めまして！小説を読ませて頂きました…めちゃ好きです、いいですねこれ…語彙力無さすぎて伝わりませんがめちゃ好きです… (2018年7月28日 7時) (レス) id: 717338bb0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五月雨 | 作成日時：2018年6月22日 18時
