前編 [甘薬] 【中原中也】 ※yuuki様 ページ40
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『ただいまー。』
扉を開け玄関に入ると、今の時間は未だ帰宅していない筈の中也の靴があった。
今日は帰ってくるの早いな。ご飯未だ食べてないよね?急いで作らなきゃ。
何て考え乍ら靴を脱ぎ廊下を進んでいるとリビングから
何かが倒れた様な大きな物音が聞こえて来た。
両手に持っていた買い物袋を静かに置き、腰にある銃に手を伸ばす。
そして安全装置を外し何時でも発砲できるように構え、リビングの中に突入した。
すると、中に居たのは敵ではなく椅子の横に横たわっている中也。
『中也!』
倒れている中也に駆け寄り体を起こすと荒い息が聞こえて来る。
顔を上に向けてゆっくりと目を開いた中也は私のブラウスを掴んだ。
『如何したの?』
顔が赤くて熱っぽい。
頬が紅潮していて熱があるように思わせた。
息をする事で精一杯なのか何かを喋ろうとしているのは解るけれど
声となって私の耳に届かない。
< ど・く・も・ら・れ・た >
唇の動きを読み状況を理解した私はスマホに手を掛け、通話画面を開いた。
然し、スマホは手で払われソファの下に入っていく。
え、あ、如何しよう。電話できない。
ソファの下は流石に手が入らないし、中也に上げてもらおうにもこの状況じゃ無理。
刹那、ブラウスを引っ張られ中也の顔の上に私の顔が寄った。
Chu ))
中也の顔が近付き口付けられる。
・・・・・・・・・・・・理解していたようでしていなかったみたい。
唇が離れ中也の顔を見るとやはり頬は紅潮していて熱っぽい躰。
唯の毒じゃない・・・・・・・・・・・然し、誰に盛られたんだろうか。
媚○だ・・・。
其の考えを肯定するように中也の電話が鳴る。
画面に表示されるのは青鯖の文字で通話釦を押し耳に近付けると、
「やぁ♪元気かい?」
『貴方ですか。中也に薬を盛ったのは。』
【そーだよー?良かったねぇ。】
良くないです!!なんて返事をしても状況が変わらないのは解っている為、
静かに太宰さんの話に耳を傾ける事にした。
「本当はねぇ、君に盛ろうと考えてたんだよ。でも、中也に取り上げられてしまってねぇ。」
【 中也ったら、Aには飲ませねぇ。とか云って丸々一本飲んじゃった。】
それを聞いて中也の方を見るとバラすなよと電話の先に居る太宰さんに声を荒げた。
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月瀬ゆうめ(プロフ) - りーこさん» 良かったです♪きゅんとするって云われるととっても嬉しいです(*^^)v (2019年6月25日 15時) (レス) id: b4fecee61f (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - 双黒の結婚式 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - とてもキュンとしました。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)
月瀬ゆうめ(プロフ) - 凍てつく闇さん» 全然そんな事無いですよっ!!私だって感謝しかありません!!チャットにならないように返信不要です♪良かったらボードに行きませんか? (2018年11月24日 18時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
凍てつく闇(プロフ) - ああああ!そして優しい月瀬ゆうめさん!本当に…!感謝しかない!←今に嫌われそうな程ウザい勢い (2018年11月23日 19時) (レス) id: 6a03f091fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月瀬ゆうめ | 作成日時:2018年9月9日 17時