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前編 [事故] 【黒太宰】 ※^^さん ページ32

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 「此れに関する資料は。」

 『はい、出来ております。』


 太宰幹部の担当任務に関する書類を渡す。
 何時もは仕事をしないが、無言で黙々と読み進めている。

 ・・・・・・・・・・・・かと思いきや、


 「A。」

 『はい。』

 「行くよ。」



 徐に立ち上がり外套を手に、太宰幹部は扉を開けて部屋を出ていく。

 『何処にですか!?』

 「良いから附いてき給え。」


 良い予感はしない乍らも、私は太宰幹部の後を追った。






 ――― 数十分後 ――――――――――――――――



 「ッチ・・・・・助かったか。」

 『ビショビショです。』



 入水を図った太宰幹部を引き上げ、拠点に戻った。

 引き上げる為に川に入った私はビショビショだ。
 車に置いていた服に着替える。

 矢張り、良い事なんて無かった。・・・・・・・・・・・・




 ――――――――――――――――――――――――――







 『っくしゅん・・・・・・・』

 「風邪でも引いたのかい?・・・・・・全く今の子は体調管理が成ってない。」


 貴方の所為です。・・・・・・・・・・・・だなんて、口が裂けても云えない。

 今は、 マフィア の太宰幹部だ。



 「物申したいようだね。」

 『滅相も御座いません。』




 執務室に戻った私は淹れたての珈琲を出す。

 と、手首を引っ張られ机の上に身を乗り出した。



 『太宰幹』

 「良いよ何時も通りで。・・・・・・・此処にはAと私しかいない。」

 『・・・・・・・・太宰さんの所為です。お陰で風邪を引きました。』


 真冬に冷たい川に飛び込むなんて普通の人間のする事では無い。
 彼女に其れを引き上げさせるだなんてもっての外。



 「大丈夫。熱が出たら看病してあげるよ。」

 『そう云う意味で云っ訳じゃな無いです。』




 目の前で、自 殺を図られる。
 私の気持ちなんて、知る余地も無いんだろうな。

 でも、太宰さんは本当に死を望んでいるようには見えない。



 「済まないね何時も。」

 突然掛けられた言葉に目を剥くと笑いもせずにただ淡々と続ける。



 「私が意識が無いのを見て、心配そうに温めてくれるのが嬉しくて堪らなくてね。」

 『はい?』



 「互いに愛情と云う言葉とは無関係の世界で生きて来ただろう?」

 【 だから、恋人にそう云う事をされると嬉しくて仕方が無いんだよ。 】





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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治 , 中原中也   
作品ジャンル:恋愛
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月瀬ゆうめ(プロフ) - りーこさん» 良かったです♪きゅんとするって云われるととっても嬉しいです(*^^)v (2019年6月25日 15時) (レス) id: b4fecee61f (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - 双黒の結婚式 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - とてもキュンとしました。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)
月瀬ゆうめ(プロフ) - 凍てつく闇さん» 全然そんな事無いですよっ!!私だって感謝しかありません!!チャットにならないように返信不要です♪良かったらボードに行きませんか? (2018年11月24日 18時) (レス) id: 07bb2550e4 (このIDを非表示/違反報告)
凍てつく闇(プロフ) - ああああ!そして優しい月瀬ゆうめさん!本当に…!感謝しかない!←今に嫌われそうな程ウザい勢い (2018年11月23日 19時) (レス) id: 6a03f091fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月瀬ゆうめ | 作成日時:2018年9月9日 17時

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