【名探偵コナン】兄が救済している様で。Part2

約束。 ページ27

青柳さんが居ない

そう告げたのは翼さんだ

近場の水道から水を被った彼女は青柳さんを探しに行くと聞かない。

萩原刑事や佐藤刑事達の制止も聞かずに飛び出す


似すぎて居た。
非常に似すぎて居た。


行動が、全てが…


『…私も行く！』


振り絞るように零した言葉と、咄嗟に翼さんの手を掴んだ。

一人で行かせてはいけない

「…駄目よ“アンタはここにいなさい”」

大丈夫、今度は上手くやるからさ…

酷く優しい表情と嘘は付けないなぁと笑った彼女は…


『…「はーいストップ。」』

ネタ晴らしは“アタシ”が帰ってから…

そう告げてから笑った翼さんは“昔の面影”…私が知る面影のその人だ。


「行ってくる、大丈夫。」

今度は大丈夫だから…


念入りに告げた翼さんは炎が見えているスタジオに飛び込んでいく

あの会話自体ほんの数秒足らず、其れでも分かって仕舞った事があった


あの人は、姉なんだと


キュラさんに腕を引かれ守られるように肩を抱かれた。

「A…」

『…大丈夫。』

心配するキュラさんに大丈夫だよと笑った。


あの顔は、あの表情は…


『大丈夫、もう大丈夫だから。』

自分に言い聞かせるように、そう呟いたつもりだった。


でも


「ね？大丈夫って、言ったでしょ？」

笑って私の肩に手を置いた翼さんがそこにいた。

煤だらけで、少し焦げ臭くて…青柳さんを直ぐに救急車に乗せて此処に赴いたという。


その言葉に思いの他あの出来事がトラウマで、信じていた反面、心配が勝っていた私には止めの様な光景


滝の様に溢れ出した私の表情に翼さんもキュラさんも驚いている


『良かった…今度は、今度は…』


支離滅裂な単語を言葉にして告げてくれたのは翼さんだ。

「御免ね、時間が掛かったのよ。」


でも、と少し考えた様子の翼さんは何処か寂しそうに笑ってもう一度御免ねと零す

「護ってあげられなくて…御免ね？」

訳を聞こうにも、彼女は一度病院へ向かう為青柳さんとは別の救急車に乗って行ってしまい、私は私で事件の事情聴取。

『…連絡先。』

知らないんだよなぁ。

はぁっとため息をついていれば、携帯に知らないアドレスからメールが入っていた。



“約束した水族館デートしない？”



其れだけで分かってしまったのは、確信してしまう根拠は何処から来るのだろう…

そんな思いを胸に抱きながらも、私は自然とそのメールにこう返していた


観覧車ファイトのあの場所で待つ




知っている人しか分からない言葉だ

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