【名探偵コナン】兄が救済している様で。Part2

追想。 ページ11

なんて妙に興奮冷めやらぬ状態で帰宅。

別の意味で疲れきってしまったのは言わずもがな…だというのに。

「随分と遅かったな…」

「色々と道草をしていたんですよ。」



ねぇ！！！目の前で赤井さんと安室さんが話してるだけで赤安だと思っちゃったわｯｯｯもう私末期！！！



「A大丈夫？」

『え、えぇ大丈夫よキュラさん！今日が楽しかったからつい浸ってたんだ！』

そう、と笑う彼女に何とか誤魔化し兄様はまだかな…なんて考えていれば透さんがもう帰ってきている筈だよと教えてくれた。

『有難う透さん！』

とらしくない崩したお礼を告げてはただいま！とキュラさんと帰宅すればおかえりとピスコおじ様に頭を撫でられる。

「おう、楽しんで来たみたいだな…」

『アイリッシュ！うん、凄く楽しかったよ！』



だから感想が小学生のそれと変わらないｯｯｯ



なんて心で思っていれば、部屋の奥から兄様がひょっこり顔を出した。

『ただいま兄様！』

「おかえりA！」

今日は楽しんできたか？と私の表情をみて察したらしい。

「あ、それから“事情”はキュラソーから聞いてるから…その事も含めて話そう。」

その言葉に少し頷き、着替えてくるねと零しては部屋に入る。

着替えや変装用のウィッグを取りながら、BGMにテレビを入れた。

≪続いてのニュースです…≫

今日も今日とて、米花は物騒らしいニュース…そのニュースの中の一つに、目が止まった。

≪犯人は強盗の後に、放火をし…尚従業員は無事救出され怪我はなく…≫


強盗、放火…。


妙に引っかかる単語。

水族館での出来事の後だから、気にしすぎだよね？なんて偶然だと思っていたけれど、テレビの映像…炎が映るソレに“重なる”何かが蘇るように駆け巡る




見たことも無い筈なのに

私とその誰かは煤まみれになりながら煙を吸わないよう、その建物の扉を蹴破ろうと必死。

逃げ遅れたんだ。



でもなんで？



「××はその子を連れて、先に行って…！」

バンッと力強く蹴破った扉の先は外だ。

でも××は！？

「アタシは別の退路を作る。逃げ遅れた一般市民がいるかもしれない。」

アンタは先ずその子を連れて此処を出る。

「大丈夫！アタシを誰だと思ってんの？」

折角の非番デート、台無しになっちゃったね…

「次は埋め合わせに“水族館”でも行かない？」

なんて笑った彼女は、私を置いて煙が続く通路を逆走。








あの時引き止めていれば…その時からか“嫌な予感”がしたんだ。

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