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第二話 ページ4

『儀式まで、2日、だね……』
『……そうじゃのう。やれやれ、時間とは早いものじゃ。朝起きたかと思ったら、もう夜になり、一日が終わっている。
Aとも、あと少ししか一緒にいれないのお…』
『…っ……私…やだ…』

Aが俯く。
その透明な声は震えていた。

『酒呑が…初めて出来た友達が死ぬなんて……私はやだよ……この金髪の所為で、いつも遠巻きにされて……酒呑だけが友達だったのに…』
『…………A………』

Aも、ワシと同じく、見た目が他とは違うため、蔑まれていた。
しかし、優しさと顔がいいという事もあり、周りの者たちもそこまでキツくは当たらなかったが、少し遠巻きに眺め、誰も話かけようとはしなかった。
ワシの場合は、この見た目な上、愛想も無く優しくもなかった為、いとも簡単にイケニエに選ばれた。

Aに初めて会った時も、最初こそ威嚇はしたが、何度も笑顔で話しかけるAに折れ、
今ではこうして友達という関係にまでなった。

『なんで…?なんで酒呑が死ななきゃいけないの?酒呑は何も悪い事してないのに……』
『仕方ない。ワシは優しくないし、愛想もなかったからの。村の嫌われ者なんじゃ。』
『…!酒呑!』
『うぉっ!な、なんじゃA!いきなり大声出して…』
『酒呑がたとえ、村の人達から嫌われてるとしても、私は絶対酒呑の事を嫌いにならないからね!!絶対に!!』

Aがあまりにも真剣な表情でいうものだから、思わず『あ、ああ。』と返す。
すると、すぐに柔らかい笑顔に戻るA。

鉄格子越しにしばらく話していると、気付けばすっかり暗くなり、Aは帰っていく。
またね、と手を振って。

その『またね』が来る明日まで、ワシは鉄格子に囲まれたこの部屋で一晩を過ごす。
それが、


ワシの日常じゃ。

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蓮花46猫 - 奈乃さん» 応援ありがとうございます!!頑張らせていただきます!! (2018年3月6日 22時) (レス) id: 2f47d31780 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 更新頑張ってくださいね! (2018年2月14日 21時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蓮花46猫 | 作成日時:2017年12月23日 20時

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