第ジュウゴ話 ページ18
「ハアッ……ハアッ……ハアッ……」
ワシは走る。
ただひたすらに。
「待て、鬼の子!!」
「お前は、重要なイケニエだと言っただろう!!」
後ろからは、村人達の罵声、怒声。
そんなものは無視して、走り続ける。
「ハアッ……ハアッ……!!」
走り続けるうちに、ワシはあの台座についた。
Aの全てが奪われた、
あの忌まわしき台座に。
ワシはその台座の上に立つ。
裸足で走っていた為、足の裏は擦り切れ、傷口に砂が入り込んでいた。
ワシは台座から崖を見下ろす。
冷たく尖った崖は、まるでなにかを拒む様な、でも同じくらい尖ったものは、呑み込んでしまいそうな……そんな雰囲気を漂わせていた。
暫くして、村人達の声や足音が聞こえてきた。
「酒呑童子!!そこから降りてこい!!」
「お前、儀式の決まりを知らないのか!?
三年間の間に、二人以上のイケニエを出してはいけないんだぞ!!」
「この村に災厄を呼ぶ気か!?」
口々に叫び怒る村人達に向かって、ワシは言った。
「うるさい奴らじゃのう。
お前らは既に、その決まりを破っておるじゃろうが……」
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蓮花46猫 - 奈乃さん» 応援ありがとうございます!!頑張らせていただきます!! (2018年3月6日 22時) (レス) id: 2f47d31780 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 更新頑張ってくださいね! (2018年2月14日 21時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮花46猫 | 作成日時:2017年12月23日 20時