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私たちは最上階の部屋に入った。
「ここだよ。私の部屋。10歳ちょっといたけどいじるのめんどくさくて5歳の頃のままだから、幼稚なものしかないけどね」
「楽器だらけじゃねぇか…全部お前のか？」
「うん。全部それなりに弾けたよ。今はどうかわかんないけどね」
「あれは何だ？」
「あー…」
リヴァイが指してるのはサンドバッグ。
パパの絵がビリビリになったやつが貼ってある。
「あれね、ちっちゃい時に使ってたの。こっそりそこにパパの絵貼って。ストレス発散用にね」
「俺たちの絵は貼らなかったのか？」
「んー、それには使わなかったから。復讐の計画立ててるだけだったもん。頭の中では全部うまくいく計算だったんだよね」
「お前が自分で正体バラしたからな。俺はそれで良かったが。お前との時間を失いたくねぇしな」
「…だけど…もし説得できなかったら…」
今になって急に弱気になってきちゃった。
計画もないし、できる気なんて全然しない。
私が俯いてると、リヴァイに抱き寄せられた。
やっぱりあったかくて落ち着くなぁ…
「お前ならやれる。貴族ごときお前が一言二言言ってやればすぐに従うだろ」
「だけど、従わないから、こうなってるんじゃないの？」
「まぁそうかもな。だが、俺はお前ならできると信じてる。ただ、もし無理でも俺はお前と一緒だ」
「…え？どうやるの？」
「俺もやめればいい。言っただろ？俺はもうお前から離れねぇ。何があってもな」
「…ありがと…」
リヴァイがいてくれるなら、頑張らなくてもいいかな。
そんな考えが頭をよぎったけど、私はやっぱりみんなと一緒にいたいから。
それに、人類のためにリヴァイが必要だから。
「人類のことを考えたら、リヴァイはやめちゃダメだよ」
「お前もだろ？俺よりもよっぽど役に立つ。たとえ女王としてでも役に立ってるだろ。少なくとも、調査兵団には」
「そんなことないよ…女王なんて、ほんとはなりたくなかったし…ただなっただけだし…」
「それで十分だったんだ。お前はお前の幸せを掴むべきだろ？」
「うん…ほんとは女王なんてなりたくなかったし…女王の地位なんていらないし…レイスの名前もいらない…全部捨てたいよ…」
私がそう言ったら、リヴァイが離れて真剣な目で私を見た。
何がまずいこと言ったかな？
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作者名：りんご | 作成日時：2018年8月18日 16時
